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未知との遭遇。

 突忽で、恐縮ですけど『のどぼとけ』を英語で何というかご存じですか?僕は知ってます。いや、自慢してません。いつだったかも定かではないですが、たまたまある雑誌だか本だかを読んでいたらその事実にぶつかって、へえ、って思って記憶しているだけですから。

 僕は、英語が苦手です。いえ、謙遜してません。どれくらい苦手かというと、定量的にはTOEICのスコアが495点(485点だったな?)という『みじめなぶるな点数』が証明してくれています。定性的には、自分の頭の中の言葉の引き出しでいうと、日本語があって、その下にさい君の生まれ育った国の言葉があって、その下は三つくらい引き出しが空っぽで、そのあとにやっと英語がくる、って感じです。さらにいうと、495点という惨めなスコアをいただいたTOEICの試験のヒヤリングの際、全身全霊を振り絞って食らいついていたつもりだったのに、僕の解答用紙ではまだ1問問題が残っているのに、だしぬけにヒヤリングの設問が終わってしまいました。つまり、かわいそうに、僕は『う~~ん、難しい、答えはどの選択肢なのだ。』と大いに頭を悩まして奮闘していたにも関わらず『どっかで問題がずれていた』んです。どこでずれていたのか未だにわかりません。そら、難しいはずです。だって、途中から問題と僕が睨んでいる選択群が合致してなかったんですから。たとえある程度ヒヤリングができたとしても、それに見合う答えは選択肢の中にはなかったわけです。そういう結果の495点なので、これは、ヒヤリングに関していうと殆んど鉛筆を転がして解答した、に等しいですね。だから、その『問題と解答の選択肢のずれ』が『幸いしての495点』なのか『災いしての495点』なのか、すらあやしいわけです。あの時は呆然としました・・・しますよね。どこでずれたんでしょう・・・。どうもいまだにわかんないです。

 そんなわけで、僕が英語が苦手なことは自他共に認めるにはやぶさかではないんですけど、そういうラべリングのおかげで、たまにですけど、嫌な思いもするわけです。
 
 あれは、確か、僕が海外に駐在してまだ日が浅いころ、本社から副部長が出張してきたときのことです。この副部長は、なんでも欧州に合計11年間も駐在していたとかで、それこそ自他共に認める英語の遣い手でした。どれくらいうまいかというと、同じ日本人なのに、僕なんぞは、最初にこの副部長が英語で外人相手に喋ったときに、何をしゃべっているのか全然わかんなかったくらい流暢な英語力をお持ちでした。それで、その副部長が出張にきて僕が出向している合弁会社の現地側パートナーと会って、かなり突っ込んだ話し会いをする、ということになったので、僕はしぶしぶ簡単な会議資料を、しかし、僕を含めてみんなの共通言語である英語で、作成しました。
 その時、『原価計算』という言葉を英語で記さなくてはいけなくなりました。
 「はて、なんていうのかしらん?うう・・
  estimation cost of goods sales・・かな?
  おう、なかなかそれっぽいな。俺にしては
  やるじゃないか」
 などと、たまたまの自分の閃きに自惚れて、ある程度確信を持ちつつ和英辞典を引いたら、なんてことはない『原価』の欄に、派生類語として、ちゃんと『-計算』っていう項目があるじゃないですか。
 見ると『-計算 cost accounting』とあっさりと書いてあります。
 なんだ、決まった言い方があるわけね、でもなんか俺の英語の感性からするとあっさりしすぎて偽物っぽいなあ、estimation cost of goods salesの方が格好よくねえか?cost accountingの方が和製英語っぽいぞ、なんて傲岸不遜なことをちらりと思いつつも、そこは自分が英語が苦手なことを自覚してるので、大人しく辞書に従って、資料を作成しました。
 さて、副部長を迎えて、合弁相手先の人間(っていっても以前にも書きましたけど、社長は僕より4つ年下の女の子ですけど。ただ、彼女はアメリカの大学を出ているので、これまた英語は流暢でした。)と、僕の作成した資料に沿って話し合いが始まりました。
 議事は思いのほかつつがなく、進行し『原価計算』のところへ入りました。その時、副部長が、議論の中身とはあんまり関係ないはずの僕の英語にいちゃもんをつけはじめました。
 「おい、みどり、おまえなあ『原価計算』を
  cost accoutingっていうのは・・・いくら
  なんでもちょっと、おまえ。」
 副部長も僕と同じく、cost accoutingというシンプル過ぎる英語に違和感を感じたようです。ただ違うのは、『自分は英語が得意である』と思っているか『僕は英語がまる駄目である。なにしろ問題がずれていても気付かないんである』と思っているかの違いです。だから、お前間違えるにももっとセンスってもんがあるだろう、なんだこの投げやりな表現は、っていう副部長の思いが言外にびしびし、と感じられました。こういうこと、すなわち、英語が得意と自認している年長者からの誹謗、には僕はある程度慣れていたので、これだから英語自慢の奴は、と心の中で思いつつも、
 「はあ、僕もそう思ったんですけど、辞書にそう
  あってので。」
 と淡々と言いました。辞書にあったんです、辞書に。それに今は英訳を議論したり、副部長の英語力を披歴するのが目的じゃねえだろ、と。
 ところが、-全く、これだから英語自慢は-それでも納得しないんですね。たぶん、英語の苦手な奴は辞書のひき方も下手なんだろう、なんて傲岸不遜なことを思っているようです。いや、そうに決まってます。
 「・・辞書にあった?でも、なんかこれは、おえ。」
 あってるに決まってるです。これだから英語の達人は、全く・・。
 「はい。」
 と僕は、ここで止まるところじゃないだろ、早く肝心の議事を進行しやがれ、と思いつつ簡単に答えました。副部長は、
 「・・cost accounting・・・」
 とまだぶつくさ言ってます。すると、その時、日本語はわからないけれど、なんとなく事態を把握した社長が、英語で、副部長に、cost accountingっていう言い方で問題ないと思うわよ、って助け船を出してくれました。さすがアメリカの大学に行っていただけあります。すると、副部長は、あろうまいことか、僕経由和英辞典、という出典には全然納得しなかったくせに、その社長の発言を聞くと、
 「え、そうか・・。そうかいな・・。まあ、ええか。」
 と、しかし、渋々納得してました。なんで俺経由和英辞典には納得しないのに、この子の言なら『まあ、ええか』になるんだよ、これだから英語の得意な人は・・・、と僕は苦々しく思いつつその場をやり過ごしました。

 『のどぼとけ』は、英語で『the Adam`s apple』といいます。
 え?納得いかない?これだから英語の得意な人は、まったく・・・。いや、だ・か・ら!僕の英語力によるものではなくて、たまたま得た『雑学』のひとつで、辞書で確認もしたんです。こういうのは決まっているんだから、英語の得意な人が、
 「projection in the throatかな、いや、前置詞が
  違うか、projection at the thoratじゃないのか?
  なんだ、なんだthe Adam`s appleってのは?そん
  なの聞いたことないぞ。」
 なんて言われても知りません。だって、日本語で、感謝を表現する言葉を英語に訳す時『very rare』って言わないのと一緒だと思います。
 『有り難し』が『ありがとう』になったからといって、英語で謝意をあらわすのはどう転んでも『thank you』じゃないですか?
 
 でも、なんだか楽しいですよね。いみじくもどちらも宗教観に根付いた名前になっていて、『喉にある仏様』っていう発想も、『アダムがエデンの園で食べちゃった禁断の果実の残りってわけよ』(たぶん)っていうのも悪くないです。

 それでは、ここで、考えてみてください。。
 日本では、外国人が90日以上日本に滞在する場合、『外国人登録』をして『外国人登録証明書』というクレジットカードサイズのものを携帯しなければなりませんが、-当然僕のさい君も持ってます。―、これは英語でなんというでしょうか。

 これは、また別の機会に書きますけど、日本における国際結婚の手続きって本当に煩瑣で、しかもプライベートに土足で踏み込んでくるような内容を記入することを要求する書類の提出が必要なんです。ここでは詳細に述べませけど、外国人登録は管轄が市町村役場で、これは、パスポートと写真があればいいんです。でも手続きが簡単なだけに外国人登録証明書は、いわばパスポートの代わりの身分証明、の役割くらいしか果たしません。じゃあ、同じ管轄なんだからおまえのとこは外国人登録証明書を発行してもらったときに、同時に市役所に婚姻届を出したんだろ、って思われるかもしれませんが、これが、外国人登録と国際結婚の婚姻届では、同じ市町村役場の管轄でも、たいへんさに雲泥の差があるんです。
 なぜって、日本国民法上における婚姻とは、簡単に言うと婚姻届が受理されることによって、独身の時にお互いが入っていた親の戸籍から離れて二人で新しく戸籍が作られること、のわけです。でも、外国人はそもそも日本に戸籍がないから(当たり前ですよね)、この『親の戸籍からお互いが出てきて二人で新しく戸籍を作る』ことができないんです。だから市役所の『婚姻届用紙のブランクがはいっているケースから用紙をとってきて記入して判子捺して届けておしまい』っていうわけにはいかないんですね。
 では、どうするか。何が問題か。それは、日本の法律における重婚罪との関係を避けて通れなくなってくるんです。つまり、戸籍があれば『重婚でないかどうか』は証明できるから、日本人同士が婚姻届を出して受理されている、というのは実は、その過程において、法律的には『重婚罪でないこと』を届出者は受動的に証明しているわけです。ところが、外国人と日本人の婚姻の場合は、これを別の方法で証明しなければ市役所は婚姻届を受理してくれません。なんと外国人配偶者の『非婚証明』(『今現在結婚をしていないこと』の証明です!)をしなければいけないんです。僕らの場合は、さい君の国の在日大使館経由で、さい君の母国から日本でいう戸籍にあたるものを取り寄せ、それを日本語に訳して、誰が訳したか、その上にその訳は正しいものと誓約して、さらにそれらをまた大使館に認証してもらって・・・、という一連の書類をそろえて、やっと市役所は婚姻届を受理してくれる、わけです。だから僕のさい君は当然のことながら住民票には載っていません。だって、日本人じゃないので、日本には彼女の戸籍はないんですから。
 しかも、市役所はこれだけの過程のあと、やっと『単なる婚姻届の受理を認める』のみで、ビザ(婚姻ビザですね)に関しては、管轄が全く違うので、日本人の配偶者として日本に滞在することの申請・認可は、今度は、法務省の入国管理局に婚姻届より何倍もの種類の書類を提出して、配偶者ビザ申請をしなければいけないんです。これが認可されるまで数カ月かかります。
 そして、配偶者ビザを取得できても、それは数年毎に更新が必要で、それが面倒な人は、永住ビザというものを取るんですけど、これはまたさらに新たに手続きが必要で、そのうえ永住ビザが取得できても、再入国許可(re-entry permitですね。)は何年に一回か更新が必要で・・・。
 しかも、いいですか、上記すべてを終えても『外国人』という範疇は全く変わらないんです。すなわち日本国籍取得のための『帰化申請』というのはまた全く独立した申請として、いわば最後の関門として、設けられているわけです。だから、よく国際結婚をした外国人の人が、日本人配偶者の苗字を名乗っておられますけど、だからといってその名前と本名、つまりパスポートにある名前とが一致する、とは限らないんですね。日本人配偶者の苗字を名乗っているからといってその方が『日本国籍』とは限らないわけです。面倒だから『通名』としてそうしている、という人が大部分じゃないでしょうか?現に僕のさい君も、『みどりユウ』って名乗ってますけど、彼女は帰化してない(今のところする気配はゼロです。まあ、それは別に彼女の自由ですから。)ので、本名は『みどりユウ、じゃない』んですね。
 どこで誰に聞いたのか忘れちゃいましたけど『アメリカの基本は【受け入れる国】、日本の基本は【受け入れない国】』っていうけど、確かにグリーンカードの抽選なんかやってる前者と比べると、僕の経験は後者に対して『そうだ、そうだ!』と首肯することを堅固に支えています。まあ自分で選んだことなのでしょうがないといえば、しょうがないです。


 ・・・話が大きくそれました。外国人登録証明書は英語では、

『certificate of alien registration』

 といいます。
 すごいですねえ!『サーティフィケイト・オブ・エイリアン・レジストレーション』!!カタカナの字面だけなら『パイレーツ・オブ・ザ・カリビアン』よりも重厚で、躍動感があります。ジョニー・デップ何する者ぞ、って感じです。それに意味も、英語が苦手な僕には、なんだか『あなたは、確かに地球外生命体であることをここに証明いたします。以下同文、代読。』っていう印象を受けなくもないです。
 これは、『あの映画』の印象が強烈なためですね。『eilian』という英語自体にはもともと『異邦人、在留外国人』という意味があって、第三義的くらいに『宇宙人』っていう意味もあるようなんですけど、あの映画の場合、原題を『そのままカタカナにしただけ』を邦題にして配給しちゃったから、『certificate of alien registration』って言われると根拠もなく、ぎょっとしたり、ちょっとわくわくしちゃったりするわけです。僕より遥かに英語が堪能なさい君も『あんまりだ。日本政府は訳を間違ってる。』ってぶつぶつ言ってます。
 でも、
 『Close Encounters of the Third Kind』を『未知との遭遇』、
 『Raiders of the lost Ark』を『インディ・ジョーンズ』、
  (しかも英語では主人公は、Indiana Jonesなのに。)そして、
 『Can`t take my eyes off you』を『君の瞳に恋してる』
って苦労して邦題を拵えてくれるんなら、『Eilian』も配給元が、労を惜しんだりしないで『胃潰瘍性凶暴未確認生命体との宇宙での戦い』なんてひねった邦題にしてくれれば、外国人登録書のイメージも変わっただろうに、って思います。この題名の方が、なんだか恐ろしそうで、かつ、わけがわかんなくて、見る前から想像力をかきたてられて『エイリアン』よりも興業的にもよかったかもしれないです。ただし、続編は『胃潰瘍性凶暴未確認生命体との宇宙での戦い-パート2』ってなっちゃうので題名的なインパクトとしては、賞味期限が短い気がしますけど。
 
 え?外国人登録証明書は『the identification of foreginer』じゃないのかって?いや、だから、これは決まっている文言なんですよ!TOEIC495点の僕の訳じゃないんです!
 まったく、これだから英語のできる人は面倒なんだよなあ。

===終わり===
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緑 慧太

Author:緑 慧太
好きな言葉:『終身雇用』
座右の銘 :『負けるが勝ち』

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