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まぐろのかたき。

 僕の息子は、『イナズマイレブン』という、名前はシンプルですが内容はたいへん奇天烈な(誉めてます!)サッカーアニメのファンです。それで、僕もたまに見るとは無しに、息子の『イナズマイレブン』のテレビ鑑賞につきあうことがあります。
 この番組では最後に『今日の格言!!』っていうコーナーがあって、静止画像で主人公の雷門中学(らいもんちゅうがく)の円堂守(えんどうまもる)君が、それを力強く読みあげます。

 ある日、いつものように、漫然と息子の横で、俺がいくら仕事できないからって、『リポビタンDの蓋をねじって開けてくれ』っていう『谷原さんから指示された今日の業務』は(嫌がってません!)人件費の無駄使いだよなあ、なんてことを考えながら『イナズマイレブン』を観ていました。すると、いつの間にやら番組は終了し、円堂くんの『今日の格言』です。

 『あきらめないこころは、でっかいみをむすぶ!!』

・・・ほう、なるほどなあ・・・。
 『でっかい実を結ぶ』か・・・。確かに諦めちゃいかんよな、少年たちには良い言葉だ。でもなあ、世の中そう簡単じゃないんだよなあ、諦めも時には肝心なんだぜ、まあ、それを息子の年代に教えるのはまだ早いだろうけど。んん?、まてよ、翻ってみると俺の自分史の各章は、『成り行き』と『諦め』抜きで起承転結が成り立っている章はないぞ、今日も素直に谷原さんのリポビタンDの蓋を開けてあげたしなあ、『諦めも肝心』といいながら『諦めに満ち満ちた人生』も考えものだ・・・・ふうむ、そう考えると大人にもなかなか含蓄のある『格言』だな・・。でも『好きな四字熟語は終身雇用です』などと真顔で公言している今の俺にとっての『でっかいみ』は定年退職ってことになるのか・・、いかにもロマンがない。むむ、『あきらめないこころは、でっかいみをむすぶ!!』か、あきらめちゃいかんよなあ、ふうむ・・確かに、いかん。

 「そうだよ!!パパ!あきらめちゃいけないんだよっ!!!」
 どうわああっっ!???唐突に肩越しから、息子に叫ばれた僕は、おおいに周章狼狽してしまいました。
 こいつ、義務教育課程にはいってまだ日も浅かりし年齢で、
 「パパ、すしで何が好き?フジのね、ね、すし屋で好きなのは、
  『まぐろのかたき』。」
 「うん、パパはおしんこ巻である。それから『かたき』じゃな
  くて、まぐろの『たたき』であるぞ。かたきとは、敵という
  意味である。ポケモンで言えばロケット団だ、わかるか?」
 などという知的年齢の低さのくせに、いつのまに他人の心を読みとる能力を身につけたのだ、しかも俺が思っていた通りのことに駄目を押している。眼光紙背に徹す、とはまさにこのこと、身長120センチになんなんとする幼さで斯様に異常な眼力を持ってしまうと、このままで推移せんか、わが息子は、マッドサイエンティストにでもなってしまうのではないか!?と驚愕かつ心配してしまいました。
 けれでも、それはあっさり杞憂であることがわかりました。なんていうことはない、僕は、円堂くんの『今日の格言』にあまりに深く薫陶を受けたために、いつのまにやら円堂くんの格言を口に出して繰り返していたんです。
 「あきらないこころは、でっかいみをむすぶ、ふうむ・・・
  あきらめないこころか・・。でっかいみをむすぶ・・・。
  なるほどなあ。あきらめないこころはでっかい・・・。」
 ていう感じで。そして、父親の独り言を聞いていた息子が、上記の発言をしたまで、だったんです。
 僕は、ほっ、としつつも、一方で得心しかねて、間をおいて、父親の威厳を保たん、と息子に反論しました。
 「おいおい、フジよ。パパがいつ諦めたというんだね。」
 実態はともかく、今のうちは『タフな父親』像を示さねば。
 「だって、パパ、いつも『うわああ!もうだめだああ』っ
  ていってるじゃん。」
 ええ!ほんとかよ。確かに外ではよく言いますが、家庭内でそんなネガティブな言動をしているかしらん?さい君には『面従腹背』をモットーとしているし、はて、思い当たらんなあ。
 「そんなこと、いつパパが言った。述べてみたまい。」
と詰問したところ、
 「いっつもだよ!!まいにち!!はんしんがてんとられると、
  『うわああ、もうだめだああ!!』って怒って、てれびけ
  しちゃうでしょ?ねえ、ママ?あきらめちゃいけないんだ
  よねえ?」
  ・・・・・・・・得心しました。おっしゃる通り。野球観戦中の僕は、阪神の敗戦が濃厚になってくると、
 「もうだめだ。今日は!」
 と喚きながら、たいそう絶望し、テレビを消してしまい応援自体をやめちゃいます。だけでなく、時には、あわよくば大逆転してたりして・・、と、またぞろテレビをつけ、でもたいてい望みは、はかなくついえて、一日に複数回の、
 「もうだめだ!今日は!ちくしょっ!」
 という、まがうことなき『あきらめるこころの具現化』たる言動をすることもあるんです。
 でも、その、なんと申しましょうか、円堂くんが『格言』において言わんとしている『あきらめ』、と父が阪神タイガースの応援において、たたきに大差を、もとい、かたきに大差をつけられたときに、口走る『あきらめ』は、時間軸や次元が違うんである、と思いつつ『すぐあきらめる父親』という指摘は正鵠を射ている、ような気もして、結局、
 「うん、そうだよな。あきらめちゃいけないよな。」
 「そうだよ、パパ。ねえ、ママ?」
 という会話で降参してしまいました。

 今日の格言。
『親の言動は、子供は全部お見通しだぜ!!』BY みどりふじ


 でも、リポビタンDの蓋でも、デカビタの蓋でも嫌な顔ひとつせず開けますので、僕の終身雇用は全うしてほしいなあ。

終わり
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阪神

ありがとうございます。85年に優勝した時『21年ぶり』で、「こら、あとまた20年後かああ、がははは」と阪神ファン同士で言いあったのを覚えてます。あれから、25年、未だ日本一になってませんね・・・。

No title

おう、そうだったか。がははは。
それにしても今年も阪神は予想通り尻つぼみだったのぅ。

いや、あの。

いや、あの・・本編を読んでいただければ僕も阪神ファンっていうことが分かると思うんですけど・・・。

No title

お、侍ジャンアンツにのみ食いつきおったな。
ちなみにワシは阪神ファンじゃ。CSに期待じゃ。

深謝

博士、コメントありがとうございます。息子が学ぶ、というより、親に言い聞かせている、という構図が正しんですけどね。侍ジャイアンツ、番場蛮でしたか。父親の最期からしてありえん話で、つぎつぎとありえん魔級を繰り出していたのはともかく、挫折を繰り返し克服する人間味には妙がありましたね。またご愛読お願いします。

No title

「あきらめないこころは、でっかいみをむすぶ」。良い。
わしも嘗て漫画で色々学んだモノじゃ。
古くは巨人の星、少しして侍ジャイアンツ。そしてドカベン。
そして昨今ではスラムダンクにバカボンド。
いまの奥さん口説くときにもドラえもんの未来理論をマジメにつかったこともあったもんじゃ。
フジ君、きみもイナズマイレブンから色々学ぶのがよかろう。
プロフィール

緑 慧太

Author:緑 慧太
好きな言葉:『終身雇用』
座右の銘 :『負けるが勝ち』

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