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安売り王ドン・キホーテ

 それは、あまりにも唐突な咆哮でした。

 先日、とある春の日の午後、さい君と、息子と三人で自転車で外出しました。
 どんな理由で外出したのかは、『そのこと』の衝撃のせいで全く覚えていません。
 なにしろ用事を終えて帰宅し、各々の自転車をマンションの駐輪場においていたときのことです。

 「あ、おならといっしょにちょっと出たかも!」

 前後の会話との脈略も何もありませんでした。
 さい君がいきなり、そう叫んだのです。『叫んだ』という日本語は、かなりの大きさの音声で発言された、ということを示します。
もちろん、-こういうの場合の接続詞は『もちろん』でいいのか、逡巡するところですが-、その言は、外国籍である、さい君の母国語でなされました。
 そして、外国語で言った、ということは、とりあえず、その周囲で、それを理解したのは、僕と愚息だけである、ということを意味します。

 筆者は、いろんな意味で、呆然としました。

すなわち、ほう、そういう現象って男性である僕には、もちろん-こういうのも、『もちろん』でいいのかな?-経験が、それも少なからず、ありますが、女性でもありうるのか、ほほう。まてよ?
ありうるとかあり得ないとかいう以前に、世間一般の主婦は、だんなさんや子供の前で、そういう事実を、それも実況として、大きな声で伝えたりするのかしらん?外国語で報告するのならいい、のか?という、やや複雑な感情が入り混じった結果の戸惑いであったわけです。

 この女には、恥じらいとか、いう感情とか、プライドとか無いのか、そもそも黙っていれば、夫も、子供にもわからないんじゃ
・・・・・。
 ところが、次の瞬間、僕の戸惑いはさらに深度を増しました。

 「ぎゃはははは!!!」

 息子の無邪気な呵々大笑の声が僕の背後から聞こえてきたんです。
 ・・・・・あんた、ものの本によれば、あんたもそろそろ『思春期』といわれる年齢になっているはずでは。
 それが、そういう母親の失敗、いわば『下の粗相』に遭遇して(だから、そういうことを、外国語とはいえ、家族全員に審らかにする母親の、心理状態がまずもって、僕の常識の埒外ではありますけど、。)、もやもやするとか、顔を顰める、とか、そうだな、あるいは、聞かなかったふりをする、とか、そういうのが、思春期の男子の有様なのではないかね?
 この母親にして、この子あり、大丈夫なのか、ふたりは。
 家長が、戸惑いと驚きで、悶々としているのも、ものかわ、息子は笑い続けています。

 「うわはははっはは!」

 いや、あのなあ・・・。

 「げへへ、ママ、また!?」

 え?『また』って何?

 訝しがる中年に、思春期の男子は、それはそれは嬉しそうに教えてくれました。

 「ええとさ、こないだ、ママと一緒に、ドン・キホーテに行った時、店員さんに、ママが『すみません、ごじゅうえんのマフラーはドコデスカ?』って聞いて、店員さんが案内してくれてさ、その後ろにママとフジでくっついていっていたとき、いきなりママが『あ、今おならをしたんだけど、ちょっとうんちでたかも!』って言って、おお笑いしたんだよ。」

 ・・・。さようか。お二人にとっては『初めてのことではなかった』わけですな。

 駐輪場から帰宅したら、さい君は、平然と、トイレと風呂場の往来を繰り返していたので、おそらく、彼女の『推測』はあたっていたものと思われます。
 
 あ、それとこれは、何度も確認したんですけど、その日は本当にドン・キホーテで『50円のマフラー』が販売されていたんだそうです。

 すべて破格です。

===終わり===
 
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Author:  香川だいズ
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