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大人であること。1

 先日、不覚にも、息子の発言を聞いて大笑いしてしまいました。

 息子がお世話になっていた小学校では、一年生が入学してくると、最上級生である六年生が指名されて入学のときに学校でのお兄さん役をやります。
 息子が入学式のときも、担当の六年生が教室までやってきて、息子の手を引いて連れていってくれたことを記憶しています。
 「パパ、こないださ、フジが一年生の子とペアになってさ・・」
 ほう、いつのまにかわが子もそういう年齢になったか、早いものだなあ。
 僕は多少の感慨をもちつつ、息子の言うことを聞いていました。
 「うん。」
 「それでね、その子にね、」
 「ふむ。」
 「俺さ、外国語しゃべれるんだぜ、ほら!ってね、しゃべってみせたの。」
 何度も書いてますが、彼の母親は外国人で日本語があまりうまくないので、息子と僕のさい君との会話は、ほとんどさい君の母国語です。
 「へえ。一年生驚いただろ?」
 「それがさ、全然なんだよね。」
 「へえ、なんで?」
 「『そんなの、ろくねんせいなんだから、あたりまえじゃん』だって!」
 !!!
 「ハハハ、そうか『ろくねんせいだからあたりまえ』か、ガハハハハ!」
 「おかしい子だよね、パパ、ハハハハ!」
 「いや、まったくおかしい、ハハハ!」
 僕は、心ひそかに、いや、息子よ、俺が虚をつかれて笑ってしまったのは、その一年生の子がおかしい、のではなくて、あんたとは違う次元で感情移入して笑っているしまっているのであるぞよ、と思いつつも二人でしばし笑い合いました。

 僕は大人です。かつ、大人として年齢を重ねている最中であります。
 そして、このことは、いろんな人がいろんな場面で言われているので、おそらく多くの方が実感されていることだと思うんですけど、僕は、大人になってみて、自分が子供の頃抱いていた、あるいは実際にそうだったかもしれない、大人達との程度の差に頻繁に愕然とします。
 ええ?子供のときの、だいがくせいって知能の塊に感じたけど、大学生になった俺って、この程度?中学のときの、柔道部の顧問の先生と同じ年齢になったのに、この未熟さはどういうこと?はあ?高校のときの、担任の先生ってひょっとして当時まだ40代なの、めちゃくちゃ分別があったじゃん?うお、俺が新入社員のときの、田中さんって、当時入社5年目かよ、俺の5年目はこんな若輩者ぶりなのに、田中さんは課長くらいの貫録があったな・・・・。
 というように、年齢を重ねるたびに、かつて自分の周りにいた人たちの、『大人ぶりの正しさ』と、わが身を比べて驚愕するわけです。
 『大人ぶりの正しさ』というのは、僕が子供のころ、あるいは、若かった頃に抱いていた、『大人とはこうあるべき』或いは、『大人とはこういうふうに見えた』という姿です。

 ええと、そうですね、個人的かつ卑近な例でいうと、大人は些細なことで感情的にならない、パンツは汚さない、電車でお年寄りが前に立っても寝たふりはしない、高校球児は子供に見える、自慢しない、マスターベーションはしない、やることは概ね正しい、ガンはつけない、陰口は言わない・聞かない、人によって接する態度は変えない、諺は全部知ってる、弱音は吐かない、白人に遭遇してしまっても狼狽えない、休みは土日だけで充分、人に言えない秘密は無い、ランチは普通盛り、夢や目標からちゃんと逆算して毎日を生きている、セックスの技巧はバラエティ豊かだ、他人の嫌がることはしない、漫画には興味がない、自分の評判は全然気にならない、拾った一万円は交番へ、投票所で刹那的に候補者を選ばない、くさやがうまい、酒盗もうまい、終身雇用年功序列、就職や結婚を勢いで決めない、北の湖の現役時代が若者に思える、『同期の江島の昇進は運がよかっただけだ』などとは思わない・言わない・・・・・・・まだいっぱいあります。

 逆にいうと、僕は上述のことと全く逆であるわけでして、いちいち驚愕するわけです。
 「ええ、俺が抱いていたXX歳はこんなんじゃないはず!俺の周りには『進撃の巨人』17巻の発行日をチェックしているうような大人なんかいなかったぞ。」
 ってね。

 一年生のお子さんからしたら、六年生っていうのはものすごく大人に見えるんでしょうね、きっと。それで『ろくねんせいなんだから、がいこくごがしゃべられるくらいでいばるんじゃないよ、そんなのあたりまえじゃん!』って彼は思ったんでしょう。
 僕は、日頃自分が思っていること、つまり、『自分が接してきた大人にくらべて、自分はあまりに未熟だ』、あるいは『おう、そうか、あのとき、本田先生もひょっとしたら、職員室の中で、そりがあわない先生がいたりしたのかもしれないな』という感覚を、思わず、その一年生の発言に重ねてしまい、
 「いや、ある意味、ごもっとも。でもぼくちゃんもいまにわかるよ。」
 と瞬間的に思って笑ってしまったわけです。
 別に『変な子だなあ』と思ったわけじゃないです。
 「おかしいよねえ!」
 いや、だから、パパは『大人』だから、そういう単純なことで笑っているのでなくて・・・・、ま、いいか、そのうち息子もわかるでしょう。
 === 終わり ===

 

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非公開コメント

ですよね、

> 貴見に同意である。
ありがとうございます。そうですか、そう思いますよね、「ええ、俺ってあのときの、あの人の立場なの、まずいんじゃないの?」ってね。

貴見に同意である。
プロフィール

緑 慧太

Author:緑 慧太
好きな言葉:『終身雇用』
座右の銘 :『負けるが勝ち』

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