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スパゲティミートボール。

 愚息は11歳なんですけど、心配になるくらい精神的な成長が遅いです。

 まだ、毎晩僕と母親と好んで川の字になって寝てるし、言うことも、だいじょうぶかなあ、と思わせることがしばしばです。『スパゲテイの好みについて』という、大人にとってはほぼどうでもいい議題での議論をもち掛けてくるのはいいとして、『スパゲティミートボール』って言うんです、なんですかね?不審に思って詰問したら、
 「ほら、あれだよ、よくあるじゃん。」
 「・・・?」
 「いちばん、ふつうのやつ!」
 「・・・ミートソースか?」
 「そう、それだ、それ。」
 だそうです。とほほ。11歳にもなって『ミートソース』と『ミートボール』を間違えますかね?

 そんな息子が、先日、学校でのことを話題に僕に話しかけてきました。僕は、携帯電話でネットサーフィンしながらいい加減に付き合います。
 「パパ今日さあ、学校でじしょのひきかたを勉強するじゅぎょうがあってさ、」
 「ふむ。」
 なるほど、そういうことを習っても遅くは無い年齢です。
 「それでね、」
 「うん。」
 「実際にやってみるときに」
 「うう。」
 僕は適当に生返事を打ちます。
 「フジはね、『おなら』って調べることにしたんだけど、」
 こいつ、本当にだいじょうぶかなあ・・・。
 なんだか、情景が目に浮かびます。

 かとう先生「・・・というのが辞書の引きかたです。では、みんな、やってみましょう。」
 生徒A「どういう言葉をひくんですか?」
 かとう先生「なんでも、自分の好きなことばでいいです。」
 なあんて会話があって、喜び勇んで『おなら』を探そうと辞書と格闘するわが子・・・・。ああ、情けない。
 話は横にそれますが、こういう『超無価値的なくだらなさに満ちた行動』にでるのは、大抵男の子ですよね、なんでだろう。女の子ってまずこんなことしないですよねえ。やっぱり男って幼いです。

 それで、どうしたんだよ、まったく。
 「それでさ、『おなら』をさがしんたんだけど・・」
 「うん。」
 そもそも、調べなくてもおならの意味くらい知ってるだろ。
 「そしたらさ、」
 「うう。」
 「パパおなにーってなに?」
 「    」
 「『おなら』を探したら『オナニー』ってできちゃったんだよね。」
 「    」
 まだ日の高いさなかから、息子は母親と父親を前に大声で『オナニー』連発です。

 僕は、このとき、あることを学習しました。
 すなわち、『人間というのは、本当に虚を衝かれたとき、完璧な無表情になる』ということです。知りませんでした。
 僕は、昼下がりに愚息のまったくくだらない『おならネタ』につきあっていたはずなのに、急転直下、『性教育の現場』での父親としての実力を試されることになったのです。
 『おなら』から『オナニー』へ・・・・・。
 これを『虚をつかれた』と言わずして、何を『虚をつかれた』と言おうか、というくらい真に僕にとっては予想外の展開でした。しかし、その結果、幸か不幸か、父親の頭はまったくの虚空となり、その表情は完璧な無表情となったのであります。その有り様は、よく言う『固まってしまった』というのとも違い、本当にポジテイブな反応も、ネガテイブな反応も、寸分も見せない『無表情』そのもの、でありました。
 かえって動揺を子供に見せることにならず、幸いでした。
 僕は、無表情をいいことに、次の段階として、あたかもネットサーフィンに夢中になっていて質問が邪魔臭いんである、といわんばかりに、眉間に皺を寄せて、
 「うん?なんだって?」
 と、その実、脳天に突き刺さった質問を聞こえなかった振りなどしてみました。
 「おなにーってなに?」
 またしても、連呼する息子です。
 「うん?ああ、それはさ、自分で自分の象さんをいじって喜ぶことだな、うん。」
 うひゃあ、これで切り抜けられるかな・・・。
 「へえ、そう。」
 「う、うん、そうそう。」
 息子は暫し考え込みました。どうも、僕の返答を彼の11年間の見聞で計ろうとしていると見受けられます・・・。
 「じゃあ、へんたい、ってこと?」
 「えっ?」
 いや、へ、変態というわけでは・・・。
 「う、う、へんたいというわけじゃないかな・・・」
 「じゃあ、えすえむ?」
 えす・・、あれ、こいつスパゲティミートソースも知らないくせに、なんで『SM』を自家薬籠中の物にしてるんだね?
 「いや、そういうわけじゃ・・・」
 ちょっと父親劣勢でしたが、携帯をいじるのに忙しい、というふりが功を奏したか、そのうち、うやむやなまま息子のほうで、ひきさがってくれました。
 くわばら、くわばら。

 後で、手元にあった辞書(三省堂国語辞典第六版)を息子に隠れて引いてみたら(逆ですよね、なんだって、いい大人の僕が息子に隠れて『オナニー』って辞書で調べなきゃいけないんですかね?)、なるほど『オナニー』は『おなら』と同じページの同じ段、それも四つだけ隣でした。
 辞書編纂者も少しは配慮してくれないかな・・・。無理か。

 ちなみに『オナニー』の語源は、聖書の中の登場人物『オナン』ですね。
 有名な話です。
 本当です。

==== 終わり ===
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ありがとうございます!

丸山様 いつも、ありがとうございます! 今後も『電車で読んではいけないけど、つい電車よみたくなる』ブログを目指します!

いやぁ面白い!盗作犯に狙われる訳です。電車で読んではダメですね。
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緑 慧太

Author:緑 慧太
好きな言葉:『終身雇用』
座右の銘 :『負けるが勝ち』

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