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憲法第9条。

 先日、日曜日にバーベキューをしました。

 メンバーはさい君の知り合いのご家族で、我が家を入れて、4家族15人です。そのうち3組が僕のところと同じように、旦那さんが日本人、奥さんがさい君の国の方という構成です。
 僕はすでにみなさんとは顔馴染みです。
 場所は、僕の家から徒歩で5分とかからない、大立目市桃山公園です。
 この公園は、そうですね、100メートル四方に満たないくらいの中規模な公園ですが、一応野球なんかできるグランドが一面あって、池があって、桜の木があって、遊技場があって、それに、中にジムだのプールだのがあるトレーニングセンターまである、なかなか充実している公園です。
 その一角、数本の桜の木の下あたりに、二十坪にも足らない小さな小さなバーベキュー場があります。
 でも、そこでバーベキューがされている光景はほとんど見かけないですね。
 いわば穴場です。

 バーベキューといっても、要は、肉だの野菜だの焼きそばだのをいつもと違って、わざわざ手間隙かけて外で食べる、っていうだけなんですけど、暑くもなく寒くも無い公園で、それらがまだ人々の耳目を集めて主役になる時季には程遠い桜の木々に見守られつつ、小さい場所ながら周りを気にせずに、わいわい言って食べ物が焼かれるのを待つ、というのもなかなか悪くないもんです。
 食べるのに飽きた子供たちは、公園内で遊具で遊んだり、鬼ごっこをしたり、木に登ったり、バドミントンをしたり、もできるので、これも好都合です。
 穴場だけあって、そこでその日バーベキューをしているのは、僕ら以外には4人組が一組いただけでスペースを満喫するには十分すぎるくらいでした。

 バーべキューの準備中に(と言っても、僕自身はこういう時もからっきし役に立たず、他の方が手際よく炭火をを起こしたりしている横でぼうっと立っているだけ、ですけど。)さい君が突如、
 「ちょっと、ケイタ、これ読んで。」
 とA4サイズの紙を僕に突きつけました。
 「なんで?」
 「友人の子供さんが、花火をもってきちゃったんだけど、花火をしていいって書いてある?」
 見ると、そのA4サイズの紙は、バーベキュー場使用の許可証でした。そうなんですね。この公園は、市の持ち物なので、小さい場所ながらも、バーベキューをするときは市役所に届け出て許可を得なければならないんです。
 さい君にしては珍しく、そういう公の決まりをちゃんと守って届け出てあったわけです。

 どれどれ・・・。
 『大立目市桃山公園 デイキャンプ場使用許可書』
 とものものしくあり、ちゃんと市長印まで押されています。
 
 おお、ここは『デイキャンプ場』だったのか、でもこんな駅からすぐの公園の数坪の空き地でキャンプなんかする人がいるのかな、と思いつつ、僕は、さい君の指示に従って、目を通していきます。
 さすが市役所、なかなか立派な使用許可書です。
 
 『許可番号 G26-67』
 市役所らしいです。ちゃんと許可番号まであるんであります・・・。
 『使用する公園 大立目市桃山公園デイキャンプ場及びバーベキュー場』
 『当日の使用責任者 住所・・・氏名・・・電話番号』
 『使用日時 2013年10月・・・・午前9時00分から午後16時00分まで』
 『使用目的 バーベキュー』
 『使用人数 大人9人 小中学生1人 幼児5人 計15人』
 『火気の種類及びコンロ等の種類型式番号等  炭』
 とまあ、結構な記載事項があって(『コンロの型式番号』っていう問いかけもなかなかのもんですよね。)そのあとにはじめて、
 『使用許可条件』と印刷されており、14ヶ条のそれがずらずらと並べてありました。

 『1 かまど及野外卓等指定された場所以外で火気を使用しないこと。』
 『2 キャンプファイヤーは禁止する。』
 『3 裸火は禁止する。』
 『4 火気を扱うときは、満16歳以上の物を火気取り扱い責任者として定め、火気を使用中は、必ず現場に常駐させること。』
 『5 かまど及び野外卓等は、使用後火元の鎮火を確認した後、直ちに清掃し、現状に回復させること。』  
 『6 燃えかす、灰等は指定された場所に片付け、生ゴミ等は使用者が持ち帰ること。』
 『7 テントの設営等の際に穴又は、溝を掘らないこと。』
 と、いかにも市役所らしい指示が、こう言うと怒られちゃうかもしれないけれど、いわば四角四面な市役所らしい文言で、書かれております。
 『火気取り扱い責任者を・・現場に常駐させる』などという表現のいかめしさなどは市役所的文面の面目躍如たるところでしょう。
 8番目に、こうありました。
 『8 花火をしないこと。』
 これ以上に無い端的な答えをみつけた僕は、さい君に伝えました。
 「ああ、だめだな、花火だめだってさ。」
 「そう、残念、まあしょうがないね。」
 「うん。」
 というわけで、某家族が持ってきた花火は惜しくもその日は使わないことになりました。
 だいたい、昼間だから花火をしてもしょうがないです。

 ・・・僕は、そのあともなんの気なしに、その『使用許可条件』の9番以下を漫然と読んでいたんですけど、突如声を上げて噴き出してしまいました。

 『9 拡声器、音響装置等(カラオケ含む)を使用しないこと。』

  ここまでは、まあ普通です。

 「・・え?うわはははは!」
 僕の噴出し方があまりにも、大仰だったので、さい君からもちろん、さい君の友人もからも、
 「緑さん、どうしたの?」
 と図らずも注目を集めてしまいました。
 「いや、こんなのありかな、と思ってさ、ぐははは!」
 「なになに?」
 僕が、その条件を訳してあげたら、果たして、
 「ええ?ほんとうにそんなこと書いてるの?」
 と皆さん、半分驚き、半分笑ってました。

 僕が虚を突かれて、盛大にうけたのはその次の10番です。

 『10 1人のみの使用はしないこと。』

 そんなの勝手じゃないですかっ!?

 「そんなの基本的人権だよねええ?」
 と僕が思えず大時代的な言葉まで使って言ったら、さい君の友人も笑いながら深く頷いていました。

 役所のすることというのは、時に僕ら凡百の民間人の考えなど到底及ばないようです。
 そもそも、なんで、ひとりでバーベキューとかキャンプとかをしてはいけないんでしょう?わざわざ、市長の印鑑のつかれた使用許可書に使用許可条件のひとつとして念を押して書くべきことなのかしらん・・・。
 僕は、ちょっと真剣に考えてみましたけど、なかなかこれだ、という答えが浮かびません。

 ①一人でバーベキューしたり、キャンプしたりしたら、ホームレスの人か、一般のひとか見分けがつかないからかな?いや、見分けがつかないとして、なんか公共の福祉的に問題があるか?
 ②それとも、家出人と見分けがつかないからかな?でも家出人が炭で火を起こして肉を焼いたりするかなあ?
 或いは、『変わった人』だと看做されて市役所や警察に通報が殺到して面倒くさいからか?・・・そうでもなさそうだなあ。
 ③それか、火が服に引火したりしたときに、一人だと延焼を防げないからか?でもそれならバーベキューだけ禁止してキャンプは許可してもいいんじゃ??
 ④いやいや、大立目市にはひとりでバーべキューをやるような孤独な人はいないことになっているので、行政を司る立場からは都合上そういう市民が存在するのは『見るにしのびない』からなのか・・・?
 ⑤ちょっと待てよ、こういうある種突拍子も無い禁止事項は普通は思いつかない、ということは『過去に桃山公園で一人でバーベキューかテントをしてなんかトラブルを起こした市民がいた』事から学習したのか?でもどんなトラブルだ??

 それに、禁止することはないだろう、なんでだ?とも思いますが、同時に『そもそも論』として
 『一人でベーべキューをする人』
 っているんですかね?
 だって、それにわざわざ一項目を割いて『禁止事項にする』っていうことはそういう人がいるに違いない、ということをが前提になっているから、でしょう?その場にいた僕らのグループの皆さんも、そんな人いないよねえ?と、異口同音に言っていました。

 例えて言うと、ええとそうですね、昨今話題になっている日本国憲法だと『国家というものは油断して放置しておくと何かと大義名分を拵えて武装して戦争に走りがちである』という大反省と大前提から『日本国憲法第9条』があるんじゃなかったっけ?というように、です。
 この日本国憲法第9条の理屈を『大立目市桃山公園デイキャンプ場使用許可書 使用許可条件 10項』に敷衍すると『大立目市民は油断して監視を怠るとつい一人でバーベキューをしがちである』という大反省(?)と大前提があるから、ということになるんであります。
 これはいっぱしの謎です。

 いや、俺はひとりでバーべキューを敢行したことがあるぞ大立目市長の主張はよく分かる、あるいは、そういう御仁を見聞したことがある、というお方は是非、詳細をご教示ください。

 ・・・・どうも、未だに禁止の理由もわかんないし、そういう人がいるだろうという前提も解せません。大立目市長や市役者の人はこの理由や前提がすっぽり腹におさまるのかなあ?
 ま、思えずみんなとひとしきり盛り上がって笑えたのはよかったですけど。

 でもやっぱり・・・・、わざわざ『禁止事項とする』ほどのことかなあ、それこそ日本国憲法で保障されている『基本的人権』を蹂躙してませんかね?

===終わり===

 
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緑 慧太

Author:緑 慧太
好きな言葉:『終身雇用』
座右の銘 :『負けるが勝ち』

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