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ウーサギ・大石氏。

 先日、うちで、息子から突然質問を受けました。
 「パパ『ウーサギ・大石』ってどういう意味?」

 しつこいですが、僕のさい君は南半球生まれ、南半球育ちの外国人なので、日本語があまりうまくありません。それで、9歳になる息子が日本語について疑問があるときは、必然の結果として彼の質問相手は僕に集中されるわけです。その疑問は彼の成長や行動範囲に比例してだんだん範囲が広くなってきて、どこから聞いてくるのか、最近では、
 「サラ金、て何?」
 とか、
 「地上げ屋って、何?」
 とか、聞かれるほうがちょっとどきっとするような質問も増えてきました。それでもそこは、9歳ですから、僕は説明する言葉は選びつつも、たいてい対応できないものではありません。

 でも、今日の質問はちょっと毛並みが違うようです。
 『ウーサギ・大石』って何だ?新しいお笑い芸人かしらん?息子は僕に似たのか、お笑いが結構好きで、僕と一緒にパソコンでお気に入りのお笑い芸人の動画を探して鑑賞して喜んだりしてますので、さては、こいつ、父親に先んじて新しいお笑い芸人を開拓したな、でも『芸名』だったら意味を俺に聞かれてもわかりませんけど・・・、と僕はやや戸惑いつつ答えました。

 「え?ウーサギ・大石?知らんなあ。誰だそれ?」
 「ほら、ここに書いてあるんだけど、意味がわかんない。」

 どれどれ。見ると彼の指し示す方向には漫画本が。ありゃまた漫画本かよ、だから『十五少年漂流記』はいつ読むんだよ、それに漫画の中のキャラクターの名前だったりしたらそんなの意味なんかないんじゃ・・・・、と呆れ半分、脱力半分、といった趣きで、僕は、それでも彼の指し示す漫画本を手にとりました。

 「どこにそんなのあるんだ?」
 やや、国際結婚の悲哀と、息子の成長のなさに不安感などを覚えつつ、少し不機嫌に僕は息子を問いただします。
 「ほら、ここお。」
 父親の複雑な心情を知ってか知らずか、愚息は能天気にあるページを指し示しました。どら、書いてあるところがわかったところで『ウーサギ・大石』なんて言葉、説明のしようがないと思うけど・・・と思いつつその部分を渋面で読みます。

 「・・・・・・?・・!!!!ぶわっ、がはははは!ウーサギ・大石!どひゃひゃひゃ!」

 人間が思わず笑ってしまう原因はいくつかに分類できると思うんですけど、そのうちのひとつに『全くの意表を衝かれ突如、瞬時に自分が内包する笑い液が沸点に達する』っていうのがあると思うんです。僕は、不覚にも息子の蔵書を見て、それまでむしろ普段より低温であった心の中の『笑い液』が忽然と沸騰してしまい、しばし、笑い続けました。
 その横で、息子は何がおこったのかわからず、豹変した父親をみて、呆然としつつ、しかし『ウーサギ・大石』氏がいかな効力をもって父親を爆笑させたのか真剣な表情で観察しています。

 「ははは、いや、なんでもない、はは、しょうがないよな、フジはこれ習ってないんだろ?はは、それじゃあ、ウーサギ・大石の意味わかんないよね、がははは、くだらねえ!」

 息子はまだ何が起きたのか全然わからないみたいです。それはそうです、彼は『習っていないから知らない』んですから。
 そのページには、あるお母さんが赤ちゃんを寝かしつけようとしている絵があって、子守唄を歌ってきかせています。その歌詞として、吹き出しではなく、コマの中の背景にひらがなでこうあったんです。
「うーさぎ、おーいし、」
 そうなんです。これは旧文部省唱歌の『ふるさと』の一節ですよね。でも息子はこの歌を知らないもんだから、意味がわかんなくて僕に聞いたわけです。つまり、息子は、
 「パパ『うーさぎ、おーいし、』ってどういう意味?」
 って聞いたつもりだったんです。
 でも僕の耳には、
 「パパ『ウーサギ・大石』ってどういう意味?」
 としか聞こえなかったので、その正体が判明したとき、おお、そう来たか、と自分の勝手な思い込みとあまりのかけ離れた予想外の結果に僕はひとり爆笑してしまったわけです。まさか『ウーサギ・大石』氏の正体が『ふるさと』の歌詞、だったとは!ってね。
 もちろん、息子にはそれが『兎追いし』である、ということのみならず、歌詞の一節であるということすらわかんなかったわけですけど、同様に『ウーサギ・大石』だろう、とも決め付けてはいなかったはずです。でも彼は、メロディなどかけらもつけずに、しかし、『うー』と『おー』に妙にアクセントをつけて『ううさぎ、おおいしって・・』って言ったもんですから。

 息子には父親として悪いですけど、我ながら、ああ僕って、もの凄くくだらない男だなあ、って思います。
 でも、こういう『正体不明なんだけどなんだか既視感』、-いやこの場合は既聞感かな(こんな言葉はないでしょうけど)-、のある名前って悪くないと思うんですけど、どうですかね。
 『ウーサギ・大石さん』、って。
 別にお笑い芸人でなくてもいいから、そういう名前で誰か世に出ないかな、応援しちゃうんだけどな。

===終わり===
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非公開コメント

????

TOCHYさん トラキチを自認する僕もこのコメントは意味が図りかねますが、ジョージ=マッケンジー(うろ覚えですが、たしか鳴り物入りで入団したのに、ほとんど試合に出場せず帰国してしまったアメリカ人選手ではなかったでしょうか?)とこのブログの関連が浅学にして理解できません????

No title

あと、阪神タイガースに現役メジャリーガー
ジョージ=マッケンジー入団というのも
思い出しました。

ちょっと話の筋から外れておりますが…

ありがとうどざいます。

TOCHY様 そうですね、そういうもあるんですか。でも息子の場合は、聞き間違い、ではなくて、『歌詞であることすらわかんない状態』だったんですね。あの歌は最近の学校では教えないんでしょうか?僕はわりと好きですけど、あの歌。でも言葉が古いからって、『鰻美味しい彼の山』ってなんか変じゃないですか?

No title

聞き間違いって面白いですね

鰻美味しというのもありますよ。
プロフィール

緑 慧太

Author:緑 慧太
好きな言葉:『終身雇用』
座右の銘 :『負けるが勝ち』

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