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僕とおまわりくん。完結編。

 我ながらなんでこんなことが、とあきれるくらいどんどんとこの種の話がで出てきちゃうんですけど、このまま勢いにまかせて続けていくと、推移せんか、反体制人物として公安当局から監視の対象とされ、一歩外に出るやたちまち尾行がつき、帰宅すればあちこちに仕掛けられた盗聴器におならの音まで聞かれてしまう、などということに(でも改めて断っておきますけど、僕は別に警察権力を批判しているわけではなくて、僕に現実に起こったおわまりくんとの出来事を、能うかぎり準客観的に、-100%客観的、というのはあり得ないです。-、記述しているだけなんですけどね。)、なりはせんか、と危惧されるので、今回を『完結編』ということで、僕とおまわりくんとの相性の悪さについては一旦区切りとしたいと(じゃあ、まだ話があるのか?というと、無い事はない、です。)思います。

 とことん相性が悪いんですね、僕と大立目警察は。あれはもうかなり前のこと、やはり僕はまだ独身で、実家から会社に通っていたときのことです。すいぶん年数が経っているけれど、『これはあんまりなんじゃないだろうか?』と思ったことなので僕はまだ鮮明に覚えています。その時の、大立目警察の当事者のおまわりくんにとっては些細なことでしょうから全然記憶に残ってなんかいないでしょうけど。

 たしか初夏の、ある金曜日の夜のことでした。僕はその頃、生来の要領の悪さも手伝ってか、ほぼ毎晩のように深夜まで残業をし終電で帰る、という暮らしをおくっておりました。その夜もいつものように終電で帰りJR東大立目駅で電車を下車すると、南口に出て、いつのまに降り出したか、ぱらつく小雨の中、しかし傘を持たなかったので、打ちたきゃ打て、という無防備さで小雨にうたれつつ、市指定の自転車置き場にある自分の自転車を取りに、-当たり前です、自転車置き場で他人の自転車を物色していたらそれは『取る』という漢字方面じゃなくて『盗る』という漢字方面の動きです。-向かいました。未明に残業を終えて雨にうたれつつ自転車をとりに行くサラリーマン、というと、なんだか侘しい構図ですが、僕の心中の言葉は、雨など全く意に介さず、むしろ『やれやれ、ともかくも今夜は心置きなく泥のように寝るぞ。ここのところ慢性的に月曜から金曜まで睡眠不足だからなあ。』という軽い開放感すら伴っていました。
 それはまったく突然のことでした。さすがはプロですねえ、いったいどこにいたんでしょう。僕が暗闇のなか、今朝(12時をとうに超えているので正確にいうと『前日の朝』ってことになっちゃいますけど)自分が駐輪した場所の記憶と、『似たような自転車が多いからわかりやすいようにね。』と母が僕に無断で、泥除けだのシャーシーだの、とにかく自転車で書けるところには全部書いてみました、という勢いで何箇所にも油性マジックペンで黒々とびっしりと書いた『緑慧太』という名前、をたよりに自分の自転車を、-しつこいですが、自分のです。ちゃんとお金を出して、自転車屋で購入したものです。-母のおかげもあってか、然して苦労もせずに見つけ、さあそれに乗って帰ろうと、鍵をはずし、ハンドルに手をかけた時です。
 「ちょっといいですか?」
 振り返るとそこには雨合羽を着た大立目警察の制服おまわりくんが立っていました。僕は何のことやら全く見当がつかず、ただ、いいですか?、と言われれば『だめです!』なんて即答できないのが(なんでできないんですかね?)制服だの警察手帳だの潜在的な力ってもので、僕は、
 「・・・はあ。」
 とうめきつつ、しかし結果としては唯々諾々としておまわりくんの会話に絡め取られてしまいました。
 あれ?夜目を凝らすと、なんと僕を囲む制服おまわりくんは、4、5名に増えています。
 いったいどこにいたんでしょう。後からわかったことですが、自転車に乗ろうとする時点で僕が彼らの存在に気付かないのも道理で、彼らは物陰に隠れて僕の自転車をはじめ、何台かの自転車をあらかじめマークしておき、その自転車に手をかけた怪しからぬ人間が現れたなら、その人間に気付かれないように近づこうと準備していたんです。
 「お仕事のお帰りですか?遅くまでお疲れ様ですね。」
 4,5人のうち最も年配と思しきおまわりくんしかしゃべりませんが、言葉遣いは丁寧です。僕は依然として事態が飲み込めず、おまわりくんの質問に(後で思えばそれらは彼らにとってはどうでもいい会話だったわけですけど。)ぽかんとしながらも馬鹿正直に答えます。
 「はあ、いつもこれくらいです。」
 「残業ですか?」
 「え、はあ、まあ。」
 今思えば大きなお世話です。今思えば、ですけど。
 「あのね、駅の向こう、北口に交番があるんです。」
 「・・・はあ。」
 「ご存じですか?」
 「・・はあ、知ってるのは知ってますけど・・。」
 「そうですか!ちょっとだけ交番で話をきかせてもらえますか?」
 はあ?・・・???
 そのときの僕は、全く、無垢と言いましょうか、鈍感と言いましょうか、事ここに至っても、『真夜中のおまわりくんの集団行動』の目的や、僕にいったい何を言いたいのか、が天地神明にかけて、これぽっちもわかりませんでした。いや、同じ状況に遭ったら今でもわからないかもしれません。交番でお話???
 「はあ・・。」
 「そうですか、ありがとうございます。いやこれは結構、我々が持っていきますから。」
 依然言葉遣いは丁寧です。ただ、『はあ』を繰り返す僕と違い、おまわりくんたちの動きはそつがなく、いつのまにか僕の自転車は僕に話しかけているのとは別のおまわりくんの手に落ちており、彼が押して僕らのうしろからついて来ます。
 「あ、すいません。」
 どこまで阿呆なんでしょう、僕という男は。てっきり真夜中に交番に案内するからには、自転車くらい持ちますよ、という、まさに公僕らしい行動、と勘違いして、え、自転車もってくれるの悪いなあ、すみませんね、とお礼までいっちゃいました。
 「会社はどちらですか?・・・ほう、あの会社ですか。」
 僕はおまわりくんと他愛のない雑談などしつつ、しかし、周りを4,5人のおまわりくんに『囲まれながら』、ほどなく北口の交番に入りました。
 
 「そこへお座りください。」
 小さな交番の真ん中におかれた机にひとつしかない出入り口を背にして、パイプ椅子に座るように言われました。なんだろうなあ・・・と判然としないまま僕は言われた通り、椅子に腰を下ろしました。
 「身分を証明するものお持ちですか?」
 おやおや、なんかものものしいことになってきたな・・。
 「へ?はい、これ免許証です。」
 僕が自動車免許証を出すと、内容を確認して返してくれました。でも一体なんだって・・・?
 「あの自転車だけどね、」
 あれ?なんかさっきまでと口調が違うんじゃ・・・。
 「・・はあ。」
 「あれ、あなたの?」
 はあ?何言ってんだこのひと。
 「へ??はい、僕のですけど・・。」
 「へえ、そう。買ったの?」
 おいおい随分立ち入ったことを聞いてくるじゃねえか。
 「は?はい、買いましたけど。」
 「ふうん、実はさ、あの自転車、盗難届が出てるんだよね。」
 「え??」
 あれ、俺そんなことしたっけ?知らないところで母親が届け出たことがあるのかな?
 「あれ、本当にあなたの?」
 「・・・・・」
 「あなたもね、立派な会社にお勤めなんだから・・、」
 だから、なんだよ。そのとき、いつのまにいたのか僕の背後から別のおまわりくんの声が聞こえてきました。
 「あなたの会社はね、あなたはね、知らないと思うけど、」
 そこには、若くて屈強そうなおまわりくんがひとつしかない出入り口の真ん前で、足を大きく横に広げ、後ろ手で腕を組んで、胸を張り出して仁王立ちに立ち、出入り口を体で『塞いで』いました。そして彼は、制服のジャケットの前襟部分を片手の指でつまみながら続けました、
 「こういうのも作っているんですよ。うん。そういう立派な会社に勤めているんだから・・、」
 なんだ、なんだ俺には別に逃げなきゃいけない理由もないのに何をしゃちほこばって出口を塞いでるんだろう。だいたいが若いくせにいやに物言いの高圧的なおまわくんだなああ、それに『あなたは知らないかもしれないけど』って、俺の会社がおまわりくんの制服を扱っているらしいことくらい知ってるぞ、逆に一介のおまわりくんのくせにそんなことよく知ってるな、総務部にでもいたことがあるのかな・・・・と依然事態が飲み込めずぼんやりと考えている僕の心に、その若いおまわりくんが放った二の句は、-しかし、おまわりくん側に言わせると、ようやっと、というところでしょう。-決定打となりました。
 「今、正直なことを言えば、我々も悪いようにはしないよ。」

 !!!あれ、俺・・自転車泥棒扱いをされている!僕はようやく事態を飲み込み、咄嗟に先ほどのおまわりくんたちとのファーストコンタクトからを振りかえりました。そうか、-気付くのが、かなり遅いけど。-この人たちは俺に声をかけたときから俺を自転車泥棒と決め付けていたんだ!自転車を押してくれたのも親切心からではなくて、盗難届がでている物をおまわりくんの手に保持しておきたかった、あるいは被疑者-即ち『何故か僕』ですけど。-が自転車に乗って逃亡することなどがないようにしていた、に違いない!

 「ちょっと待ってください!」
 僕は濡れ衣であることを立証しようと躍起になりました。しかし、みなさん知ってますか、世の中に何が堅牢だと言って、『頭からこいつは泥棒ときめつけているおまわりくんのたちの群集偏見』ほど頑ななものはありません。何を言っても信じてくれないんです!しかも全員そろって!いきなり『正直なことを言えば、我々も悪いようにはしないよ』だもんなあ。
 「ほらこれ、あんたじゃない人からこの自転車の車体番号で盗難届でてるでしょ?わかったら権利を放棄して持ち主に返す、っていうこの書類に指紋押して。」
 「ちょっと待ってくださいよ。」
 「とにかく明らかに盗難車なんだから指紋押して。押さないの?」
 言葉にするとたいした字面ではないですが、押さないとどういうことになるか知らんぞ、という威圧感が、しかも狭い派出所に詰めたおまわりくん全員からびしびしと伝わってきます。いや車体番号とか言われても・・・・。
 「あなたね、買ったってどこで?買ったのならなんで防犯登録してないの?ええ?」

 そうです、そうなんです!思い出したぞ。実はこの自転車は母と休日に近所を散歩していてたまたま目に付けた、自転車屋で販売していた中古自転車だったんです。慧太、あんたの分いち台足りないわね、でもどうせ駅との往復なんだからこの中古でいいじゃない、随分安いし、そうだね買うか、ということで確か購入したんです。しかも!決まりごとのはずだからしておきたい、と粘った僕に対してその自転車屋の主人は『別に義務じゃない』だの『登録料が無駄だからやめとけ』だのいろんな理屈をつけて頑迷に防犯登録をしてくれなかったんです!さてはあの自転車屋は確信犯だな、嵌められた!
 僕は、そのことに気付き、やや興奮しながらそのときのことをおまわりくんにまくしたてました。ね、ひどい自転車屋でしょ?
 「はあん?なんだあ?防犯登録を自転車屋が断っただあ?」
 全然だめ、です。もう頭から犯罪者と決めつけているので、おまわりくんは全員、もっとまともな嘘つけねえのかよ、って顔をしていて、僕の話にちょっとでもなびく様子すらありせん。確かに僕の話って、-だから事実なんですけどね。-、いかにもでっちあげっぽいです。
 「それで、どこで『買った』の?」
 面倒だなあ、買った買ったっていうなら自転車を言ってみろよ、どうせ、嘘だろうけど、と斜に構えながら一応聞いてきました。
 「えっと、名前はわかんないんですけど・・・」
 おまわりくん、ほ~ら見ろ、うろんなことしか言えんだろ、って顔してます!いやだから、散歩中に目にはいった自転車屋の名前なんか覚えてないっ!
 「あの、あそこの自動車教習所の前をまっすぐ西に行って踏み切りを超えて右側にある・・」
 するとさすがは、普段おまわりを生業としているおまわりくん、すぐに、
 「ああ、あるね、ええと・・・」
 とその自転車屋の存在を確認し、それどころかそのうちのひとりが件の自転車屋に電話をし始めました。ほう、これで俺の冤罪も晴れる、俺の主張どおり自転車を追い詰めてくれたら、たとえで電話でも向こうの言うことにぼろがでるはずだ。やれやれ・・・、もう2時じゃねえか・・・・。
 ところが、です。思い込みというのは本当に恐ろしいもので、おまわりくんは僕の言う自転車屋が実在したもんだから-だからあ本当にそこで中古を買ったら、防犯登録を断られたって言ってるっしょ!-いちおう電話をしたんだけど、電話をする前から、彼らの目の前にいる僕が嘘をついていて、僕の自転車購入時の話の経緯はでっあちあげだ、と決め付けているがゆえに、なんとものすごく馬鹿丁寧に、『夜分遅くたいへん申し訳ございません。』なんて言いながら、短い電話をしたと思ったら、先方を籠絡するどころか、あっというまに、僕に言わせればその限りなくクロに近いその自転車屋に丸め込まれて-『そうですね、まさか盗難車なんて販売されてないですよねえ、ええ、ええ、今日はもう遅いですから、ええ、このへんで失礼します。』なんて言いながら、-おい、もう遅いですから、って俺はいいのか?-、電話を切ってしまいました。それどころかその返す刀で、
 「いまどきね、盗難中古車を売る自転車屋なんて聞いたことがない。」
 と僕に向かって喝破しました。それこそ、僕の心からの叫びじゃありませんか、大立目警察おまわりくん諸君よ、なぜそれがわからん!?
 「あなたのいうことはね、盗んだ人間がよく言うことなんですよ。」
 「!」
 「それにね、自転車を盗んでそれを使う人間はね、自分のものだ、と主張するために自転車のあちこちに名前を書く傾向があってね。」
 「なっ・・!」
 「あの自転車も・・・・」
 「いや、だからそれは防犯登録もしてないから、母がわかりやすいように、と・・・・」
 「いまどきね、防犯登録をしないで自転車を売る自転車屋なんて聞いたことがない!」
 『振り出しに戻る』というフレーズが無力感とともに僕の頭の中で浮かんできます。
 
 「で?どういう状況で『買った』の?ええ?」
 僕は半ば途方にくれながら、休日に母と散歩していて、目についた中古自転車を購入したこと、を話しました。するとおまわりくんはが今度は僕の母に電話をし始めました。おいそれこそこんな時間に警察ですが息子さんが盗難自転車に乗っていたのでの、拘束してます、なんて人の親に言うんじゃ・・・・と思う暇もなく、その通りのことをしゃべりはじめました。おいおい、そんなこと言われたら母親もびっくりするじゃんか、そもそも自転車屋への電話での態度と僕の母親へのそれが随分違うじゃねえか・・・。
 電話をしているおまわりくんは僕を横目でちらちらと見ながら、それでも母親に自転車を買ったときのことをなにやらぼそぼそと質問してくれているようです。しばらくたって電話を切るとそのおまわりくんは開口一番こう言いました。
 「おかしい。」
 ええ、今度は何が!母親があんまり自転車購入時のことを記憶していなかったのかしらん・・・・?
 「おかしい、あなたの言うこととあなたのお母さんのいうことは同じだ。おかしい。」
 なんだよ、それ!!同じに決まってるじゃんか、俺は事実しか言ってないんだから!
 しかし、いろんな状況証拠をもとに(僕に言わせるとその証拠集めの姿勢には、おまわりくんたちの考えがバイアスがかかって投影されているので、『状況証拠』ではなくて『準状況証拠』ですけど。)、鼻から僕を犯罪者だと決めつけていて、僕は嘘を言っている、自転車屋の言うことは間違っていない、と堅牢に信じているおまわりくん達にしてみれば、形式上確認はしてみたものの、僕の話と母親の言が細部にわたるまで同じだったので、そんなはずはないってことで思わず『おかしい』という言葉が口をついてでた、ようなんですね。

 母親の『証言』で少しだけ僕の『犯罪』に疑問をもったおまわりくんたちは、しかし依然として自転車の権利放棄を僕に促しました。僕は、-今思うとなんだってそんなことを言ってしまったのか自分でも口惜しいですけど。-、もう自転車なんかどうでもいいや、という気になって、
 「わかりました。権利は放棄します。」
 と言って、指紋を押してしまいました。大失敗です。すると、おまわりくんたちは、ようやく、
 「今日のところは遅いから帰宅してよし。」
 と言い出しました。しかし、僕は全然納得いかないので、
 「なんですか、それ?それって、おまわりさんたちは僕を自転車泥棒だと思ったまま今日の夜をすごす、ってことですか?」
 と帰ってよし、と言っている相手に直球を投げました。大胆不敵です。するとおまわりくんも、
 「そうだ。」
 と単簡に直球を投げ返してきました。いやそれは納得いかない、帰らん、もう一度自転車屋に電話してくれ、いや、もう遅いから、今日は帰れ、という妙な押し問答を繰り返した挙句、結局は事態は収拾しないまま、朝の3時前にとぼとぼと歩いて帰宅しました。

 その後、-僕も若かったなと思います。なぜって元来小心者でそのうえに、犯罪者の嫌疑をかけられた、大袈裟に言うと明日をも知れない身になっておりながら、殆ど意に介さなかったんですから。-帰宅すると、即、僕にしては剛毅にもぐうぐう寝込んでしまいました。
 けれども、朝10時頃、まだ僕が熟睡中に母親におこされました。
 「大立目警察が来てる。」
 っていうんですね。なんだなんだこの公僕君たち、昨日の続きをやろうってのか、と腕撫して母親が応対している玄関先に僕が顔を出すと、そこには昨日僕を捕まえた集団のうちの二人が僕の自転車と一緒に立っていました。そして、僕を見るなり、昨夜とは打って変わって丁寧な態度で、
 「どうも、あなたの言うことが正しいようです。」
 と臆面もなく言い放ちました。そして、
 「あの自転車屋は怪しい、今から件の自転車屋に行ってきます。」
 と言いました。僕は、
 「でしょ?僕も一緒に行きます。今から行きます!」
 とやにわに熱くなって同行を要請しましたが、その申し出はなにやら妙に敢然と
 「いえ、あなたは来なくてもいいです。」
 とぴしゃりと却下されてしまいました。

 これは、ちょっとあんまり、です。
 ちなみに『僕の自転車』はどうなったかというと、その朝、おまわりくんが押しながらまた持って行ってしまい、それっきり、なんであります。なんだか納得いかなかったけれど、もうあまり関わりたくないや、と思ったので僕から大立目警察に問い合わせすることなく今日に至っています。
 納得いかない、と言えば、あの僕の指紋は、『権利放棄について』だけに押捺したはずなんだけど、前科者として警察のデータに残っているのかしらん、と思うと極めて納得がいきません。
 そして、些細な出来事ですけど、この件以来僕は、-すみません、それまでは実感してませんでした。-始めに思い込みありき、で状況証拠と国家権力の強要による自白によって犯罪が立証されることは十分ある得る、と次回捕まったときのために心の準備ができるようになりました。え?いや、もちろん現在も世間様から後ろ指さされるようなことはしておりません。はい。

===終わり===
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僕とサービス業。スズメバチ編。

 『スズメバチ』といっても、何かの比喩ではありません。
 つまり、例えば『筆者がごく普通にはいった飲食店でスズメバチかの如く凶暴な店員に接客を受けた、相変わらずサービス業と相性が悪いなあ。』という類の話でもなければ、『出し抜けにスズメバチと出遭うかの如く予想だにしない一瞬で全てを奪われてしまったかのような一目惚れ、の果てに恋愛をし、その恋愛が、あたかもスズメバチに刺されたかの如く衝撃的で深い傷と共に幕引きされてしまった。』というような話でもありません。後者については、万事に晩生の僕には珍しく、そういう経験が一回だけあるんですけど、よくあるように自分には衝撃的でも、他人様には面白くもなんともないそこらへんに転がっているような失恋話、なので、経験があるから、といっても特に触れないんであります。だいたいが、あの失恋の仕方は、僕に、スズメバチにさされたかのように大きく傷をつけ、人間としての自信をすっかり失わせた、のではありますが、当の刺した三宅奈美さんにしてみれば、彼女は恋愛経験が僕よりも遥かに豊富だったので、-そのこと事態は別に是非を云々するようなことではないんであります。-、『え、私、そんなに激しく刺したかしらん?スズメバチかの如く、なんて大袈裟な、オホホホホホ!せめて、蟷螂の斧、程度じゃなくって?』なんて思ってたり、いや刺したこと事態、自覚がないかもしれま・・・。

 閑話休題、つまりはここで僕が今回話題にするのは『比喩としてのスズメバチ』ではなくてスズメバチそのもの、のことです。

 あれは、三年ほど前の、いや四年前、むむ、五年はたつかな・・・、とにかく数年前の初夏、ちょうど今頃の季節のことです。
 僕は、その日、昼ごろ、自宅の近所をいつものようにぼーっと、下を向いて、ゆっくりと(僕は、たいていひとりで歩くとき、ぼーっとして、下を向いて、ゆっくり歩いてます。なんでだか知りません。社会人になって会社の人たちがあんまり歩くのが速いので、びっくりして仕事中はそのペースにあわせていたら、そのうち僕も歩くのが速くなるのかな、となんとなく思ってましたけど、ひとりになると依然ゆっくりと歩いてます。)歩いていました。
 近くに忽然とある(つまりはその周りには住宅地と公園と学校があるだけで、繁華街など何もない)、わりと大きな、でもいつも閑散としている、二階建てのスーパーマーケットの前を通ってそのスーパーマーケットの端に店子として入居しているであろう、一階のクリーニング屋さんの前を通ったときのことです。
 僕はあるものを己が進行方向の歩道のど真ん中にみつけ、慄然としました。そこには大きな大きな一匹のスズメバチが、なにやらアスファルトのうえで羽を休め、よたよたと、しかし、その巨体な虎模様の体躯は充分に威嚇を持って、道の上を『歩いて』いました。
 「ぬ、ぬおー!スズメバチ!あぶっ、あぶっ、危ねえっ!」
 前にも言いましたけど、僕の住んでいる大立目市、しかも、JR東大立目駅近辺は特にまだまだ緑が多いので、様々な生き物と遭遇することがあり得るわけです。しかし、斯様な歓迎されざる獰猛な生き物との遭遇にはさすがに僕も、敵に自分の気配を悟られまいと、咄嗟に歩を止め、立ち尽くしました。
 おいおい、頼むよ、こっちはさ、家に帰りたいだけで、なにもあんたの縄張りを邪魔しようってんじゃないんだから・・・・。僕は、金縛りにあったかのように息をひそめ、しばし相手と目が合わないように伏目がちに観察し(もちろん、スズメバチと目が合ったのかどうか、なんてわかんないんですけど、僕のそのときの恐怖と警戒心を形容するなら、本当に目が合わないように、そろそろと動かざるをえなかったんです。)、さて、どうしたものか、と考え込みました。退却するか??いや、こういうときは返って敵に後ろ姿を見せて死角をつかれたりしたらたまらん・・・・、じゃあ前進か・・・しかし、このまままっすぐ行くと、敵との距離がどんどん縮まってしまう・・・・・、ほんの一瞬ですが、さまざまな取捨選択を体を凍結させながらじっくりと熟慮をした結果、僕は『敵との距離を縮めずに前進する方策』を選択しました。
 言い換えると、いまのスズメバチと僕の距離とを限界として、その距離を半径とし、次の歩幅からは、その半径を忠実に保ちながら円を描くように、一歩づつ斜めに、しかし、つま先は安全圏にはいったときに即、直進できるよう、常に前を向かせ続けて、じりじりと進みました。これは、ラグビーでいう『スワーヴ』といわれる基本的なステップワークのひとつで、ウイングがよく使うテクニックです。最近のラグビーではあまり聞かなくなりましたけど。え?説明ではよくわからない?『欽ちゃん走りとの違い』を教えろ?まあ、ここは本旨ではないので、そこはよしなに想像してください。
 とにかくも、僕は、スズメバチを対面とみなし、いったん歩を止めた場所を起点として、しかし、大いに、それこそラグビーなんかより数倍も、身の危険を感じながら、じりじりとスワーヴしていきました。幸い、スズメバチは僕の巧みなスワーヴを見抜けなかったと見えて、僕は、彼女を後方に置き去りにすることに成功しました!
 よし、ここで、トップスピードで脱出!僕はそれまでの『敢えてスピードを殺したスワーヴ』から一気にスピードを上げ、直線の最短距離を10メートルほど駆け抜けました。
 自らのスピードを意識して遅くすることで、こちらを狙ってくるであろう相手の動きをも緩慢にさせ、その間隙をついて一気にトップスピードで抜き去る、これはラグビーでいうところの『チェンジ・オブ・ペース』と言われる、これまた基本的な、しかし、スワーヴと違ってたいへん難易度の高いステップワークです。
 え?よくわからない?なんでいちいちラグビーに例えるんだ?まあ、そこは本旨ではないので、適宜読み飛ばしてください。まあ、『チェンジ・オブ・ペース』も最近のラグビーではあまり聞きませんけど。詰まるところ、いろんなステップワークを駆使し(要は、ゆっくりと遠回りして、安全圏にはいったところで全速力で逃げた、だけだろ。といわれれば元も子もないですけど。)相手を刺激することもなく、僕は、スズメバチの脅威からとりあえずは脱しました。
 『ふう、あぶねえ、くわばら、くわばら。』
 僕は最前までの緊迫状態から脱し、ほっと一息つきました。めでたし、めでたし・・・・・・・、とはいかないんですね、僕の場合は。

 すなわち、僕が自分の安全を確保したことに100%利己主義然として満足したあと、ようやく思い浮かんだ次の思いは、『はて、俺はいいとして・・・、あのスズメバチを放っておいていいのか?・・・』という疑問でした。
 あの様子では、スズメバチはただ単に羽を休めているだけで、どこか傷ついていたり弱っていたりしているわけではなかったので、そうとは知らない歩行者がスズメバチのすぐ横を通り、なんとなく足で接触し、スズメバチを結果的に蹴り上げるようなことになったら・・・・、それがフィジカル面での弱者、即ち、老人とか、女性とか、小さい子供だったりしたら・・・、うわあ、なんか嫌だなあ、そんなことになったら寝つきが悪いよなあ、と、僕は思いました。

 ここで些細な注釈ですが、このとき頭に浮かんできた思考に対して、僕が反射的に抱いたこの感想は、僕という人間の心の小ささ、気の弱さ、我が身可愛い度の高さ、を端的に表していると思います。なぜって、僕は『あとから刺される人が出てきたりしたら気の毒だ』ではなくて、ここで放っておいて後で『スーパーマーケットの近くでスズメバチに刺された人がいるらしい。』と聞いたときの自分への後ろめたさ、それによって惹起されるであろう『寝つきの悪さ』(こういうとき『寝覚めが悪い』と言うのが本来の正しい日本語だとは思いますが、僕は自分にうしろめたいことがあると寝覚めが悪い、よりも、うじうじと悩んで寝つかれない、ほうで、『とりあえず寝ちまったけど、なんだか寝覚めがよくねえぜ』なんて肝の据わった心境にはどうしてもなられないので、敢えて『寝つきが悪い』と、ここは常識に曲がってもらって、自分の心境に正直な言葉にしちゃいました。)が、『なんか嫌だなあ』って思ったから、なんですね。他人が気の毒だから、とかではなくて、飽くまでも自分可愛さ、が一番にきている思考・感情なわけです。うん、僕らしい。

 さて、それはともかく、どうしたものか。
 舞い戻って退治するなんてとんでもないしな・・・・。
 おお、そうだ!こういうときこその、市民の安全確保のためにある公僕、おまわりくん、我が大立目警察、ではないですか!
 『スズメバチ出現』なんて僕に言わせると、被害金額の少ない空き巣とか、ましてや完全に勘違いして善良ないち市民と、頭の帽子を抑えつけながら夜中に自転車で追いかけっこすることなんかよりず~~~~~~っと、重要度の高いことであり、これを排除するという仕事は、公僕しての立派な、かつ、確固たるリスクマネジメントに決まってます。
 それにおまわりくんに通報して、あとは任せてしまえば、一応手は打ったことになるから、何か起きても自分だけが悪いんじゃないか、なんて寝つきの悪さに悩まなくても済むしな、と僕はずる賢くひとり心中頷きました。
 そうと決まれば善は急げ、僕はスズメバチをやり過ごしたその足で、帰宅せずにまっすぐに駅の北口にある派出所に向かいました。

 そこには、年の頃40代半ばと思しきやや細身の眼鏡をかけた一匹の、いや失礼、一人のおまわりくんが、『びしっ』と音のでるくらいに背筋を伸ばして派出所の前で立って町に向かって(といってもしごく平穏なところでこれといって何もない思うんですけどね。)右に左に睨みを利かせていました。
 おお、やっておるな、おまわりくん、おわまりくんはそうでなければ、うんよろしい、なかなか頼りになりそうなおまわりくんではないですか。
 「あのーー。」
 「はい?」
 言葉は丁寧ながらもこちらに向けられた眼鏡の奥の眼光には鋭いものが感じられました。おお、ますますよろしい。
 「さっきですね、あの三丸(みつまる)マーケットの前の歩道に、」
 「え?」
 おまわりくんは、さっさと義務を終えようと単刀直入に本題を切り出した僕にやや戸惑ってます。
 「あの、三丸マーケットあるじゃないですか、」
 「あ、はいはい。」
 「そこの前を今通ってきたんですけどお、」
 「あー、はい、三丸マーケットね。」
 お、ようやく追いついてきたな。
 「そこに、こんくらいのでっかいスズメバチがいたんですよ。」
 「え?スズメバチ?」
 「そうなんです!生きてるやつです、生きてるやつ!」
 剣呑だろ?と僕はやや風呂敷を広げて、市民の危機、という認識の共有をおまわりくんに迫りました。
 「それで、一匹?」
 「はい、一匹です。」
 おまわりくんは、見張りの姿勢は依然崩さすに、町にその鋭い視線を投げながら(だから、そんな怪しいことなんかないっ、ちゅうの。)も、僕の話しには対応してくれている、とみえて質問などしてくれ始めました。うむ、頼もしい。
 「生きてるわけね。」
 「はい、生きてます!」
 「あー、あれはね、今頃からなんですよ。」
 「は?」
 「ちょうど今頃から巣作りを始めるんです。」
 ほー、なるほど!さすがによくご存じで!
 「それでね、だいたい一匹が目撃されると、」
 「ほう。」
 「その近くで、巣が作られる可能性が大きいんです。」
 「えっ!?」
 ええー!そらたいへんじゃありませんか!よく知ってるな。だとするとあのクリーニング屋近辺に群生している雑木たちが、かなり危ないってことに!その前に手を打たないと!
 僕は、いまだ姿勢も視線も崩さないおまわりくんの次の言葉を待ちました。例えば『これから行きましょう。場所を案内してくれますか?』という類の、リスクマネジメント遂行に忠実に燃える、公僕らしい言葉を待ったわけです。
 「・・・・・。」
 ところが、どうしたものかおまわりくんはそこまで彼の博識を披露したあと、彼もまたまるで僕の何かを待つかのように沈黙してしまいました。
 「・・・・・。」
 いや、今もうボールはおまわりくん、あなたにあるんであって、僕はもう矢は尽きていますから、僕から会話を転じさせたり行動の提案をしたりはしませんけど・・・。
 「・・・ちょうど今頃からなんですよね。」
 しばらくの沈黙のあと、相変わらずあたりをきょろきょろしながら、おまわりくんの口を出てきた言葉は先ほどの言の繰り返しでした。
 「・・はあ・・。」
 はあ、以外に合いの手の入れようがないです。
 「・・・それでね、一匹いるとその近くに巣をつくるんですよ。」
 「・・はあ・・。」
 いや、だから危ないんじゃ・・・、それでこうやって僕が通報にきているんですけど・・・。
 しばらく、またきょろきょろしながらの沈黙のあと、しょうがねえなあ、ここまで俺にいわせるか、といった感じを行間にぷんぷん匂わせながら、おまわりくんが次に放った発言で、彼が僕に何を期待しているのか、が僕には、ようやくわかりました。
 「あれはあ、どこだったけかなあ、担当は。市役所だったかなあ?うん、市役所じゃないかな?」
 「・・・・・・。」
 つまり、さっきからおまわりくんは彼がいかにスズメバチに知悉しているか、と自慢しつつも、一方で僕に言いたかったのは、要は『俺の仕事じゃないよん』ってことだったんですね。そう考えると、必要以上にきょろきょろして僕と正対して目を合わせて話しをしなかったのもなんとなく意図が見えてきます。

 左様か・・・。ここからほんの100メートル先に明らかな市民の脅威があってそれを現認できる状況にあるのに、隣駅前にある市役所までわざわざ電話を、しかも公僕のおまわりくんがしてくれるんじゃなくて、僕に市役所に電話しろってでありますか?俺の家の前にいるわけでもないのに・・・。しかもあんたスズメバチのことをよく知ってるじゃないですか、その知識はなんのためにあるんですかね?
 だめだな、こりゃ。スズメバチがいます、っていうのに『管轄外なので市役所、だったかなあ、にあんたから連絡したら』なんて、この公僕には、これ以上の期待はできんなあ。
 僕が、自分のほうから適当に、しかし大いに落胆しながら、会話を切り上げると、おまわりくんは安心したかのようにふたたび町を睨み付け始めました。なんだ、それ。その視線にスズメバチが入ってきても管轄外だからって無視するのかなあ?

 まあ、いいや。けれども、僕としてはこのままでは依然寝付きが悪いので、気の毒なことに小心者なのに、僕は勇気を振り絞って現場に戻りました。
 お、まだいる!今度はさっき以上に距離をおいて、そして、ここでスワーヴだ!
 それ!スワーヴうううううっ!

 ううっ・・ほろ?・・あれ・・?・・! 
 おお、これはしたり!豈図らんや、なんとスズメバチは明らかに踏んづけられたのが原因で昇天しておりました。僕のあとを通った勇気のある市民の誰かが、果敢にも踏んづけて成敗してくれていたんです!まあ、路上にいたスズメバチには何も言わせると何も非はないんでしょうけど。しかし、顔も名前もわからないけれど、なんと逞しい市民だ。僕とおまわりくんが不毛な会話で時間を浪費している間に、騒がぎもせず、密かにこんな果敢なことを挙行してくれるなんて!通常のいち市民としては管轄外ともいえる勇気ある行動じゃありませんか!えらい!

 ・・・普通ならば、ここで『これで俺も安心して寝られるわい』と踵を返して大団円、となるところですが、このときは、しかし、そういうわけにはいきませんでした。
 なぜなら、『ちょうどこの時期から巣作りを始めて』しかも『一匹生きているのを見たらその近くに巣を作る可能性が大きい』とおまわりくんから教えていただき、妙に賢くなってしまった僕としては、路上の一匹が成敗されても安心はしていられなかったからです。
 そこで、暇そうにしているクリニーング屋さんに入っていき、
 「あの通りがかりの者なんですけど、ちょっと見てもらってもいいですか?」
 とわけを話して、表にでてきてもらいました。表に出てきたのは中年の女性二人で、自分の店の目の前に転がっている大きなスズメバチの死骸に目をまん丸にして驚いていました。そこで、僕は、このスズメバチはついさっきまで生きていたこと、ちょうど今が巣作りの季節らしいこと、一匹目撃されるとその近くで巣作りをしてる可能性が高いこと、管轄は市役所『らしい』こと、を手短に話しました。するとクリーニング屋の女性二人は、どうも僕を草莽に埋もれるわが町のスズメバチの大家、と勘違いしたらしく、
 「それで、市役所に電話すれば来てくれるんですか?」
 だの、
 「市役所のひとは巣を探しあててくれるんですか?」
 だの、と質問攻めを始めました。
 「いや、あの、ごめんなさい、僕はそこまでしか知らないんです。でもこの死骸を証拠として、それからさっきまで生きてたことを、とにかく市役所に通報されてほうがいいと思います。この近くに巣なんか出来ちゃったらたいへんなことになりますから。え?警察?警察はだめです?いや、なんでだめかって・・いや、そのとにかく市役所に一度電話してみてください。」
 と、通報する役目をクリーニング屋さんに押し付けて、でも管轄の整理までしてあげて、-あたかもスズメバチの大家のみならず、まるで公僕の管轄にも一家言を持つ大家になってしまったかのように-、僕は帰ってきちゃいました。

 だけど、隣駅の市役所にいる公僕に言う前にその辺を『市民の安全の為に頻繁にパトロールしている公僕』に言おうっていう僕や、クリーニング屋さんのおばさんの感覚っておかしいですかね。
 いや、そういう『感覚』の是非についても『管轄外』なんでしょうね、きっと。

===終わり===

僕とおまわりくん。①

 筆の赴くにまかせて、いつものようにいい加減に書き連ねてきたら、だんだんと焦点が定まってきたので、今回は題名からして、おもいきって変えてみました。
 前回、『いち市民としてなんとなくいわれもなくおまわりくんと相性が悪い』例として僕のことを紹介させていただきましたが、今回はその続きです。
 
 実は僕とおまわりくんの相性の悪さはただ茫洋と『おまわりくん全般と相性がよろしくない』だけではなくて特徴があるんです。といってもわざわざ書き立てるような特徴ではないですが(まあ、しかし『じゃあ他の事はわざわざ書き立てるようなことなのか?』という端的かつ正鵠を射た質問の前にはこのブログ全体が100%撃沈しちゃいますけど。)、それはどういうことかというと『おまわりくんの中でも特に大立目警察のおまわりくんとの相性は最悪だ。』っていうことです。

 あれは、ずいぶん昔、僕がまだ独身で社会人になってまだそう日が深からぬ、某日、某夜の出来事でした。
 当時、実家から会社に通っていた僕は残業帰りの、かなり遅い時間にJR東大立目駅で降りると、止めておいた、-もちろん、大立目市が指定した駐輪場に、です。-自分の自転車に乗ると、これまたいつものように線路沿いの道を実家の方向に、自転車を走らせました。まっすぐ線路沿いに行き、ローカルな私鉄の踏み切りの手前を左折すると僕の実家です。と、僕が左折をしようとする角にふたりの制服おまわりくんがおりました。どうやら無灯火の自転車だの、鍵が壊れていそうな自転車だの、を止めて、詰問しているようです。
 よくある、止めておいて自転車登録番号を『ぷしっ。う~~、じてんしゃ、う~、の、う~、めいぎかくにん、う~、おねがいします、どうぞ、ぷしっ。』『ぷしっ。う~、りょうかい、う~、ばんごうをどうぞ、ぷしっ。』と無線で確認して(『ぷしっ。』という擬音は無線のスイッチが入ったり切れたりする音です。あと『う~、』っていうのは、電話なんかだと言わないのに、無線だとやたらと言葉をぶつ切りにして、その間におまわりくんがよく挟む意味不明な唸り声、です。)自転車の名義人をおまわりくんが確認する間、『だ・か・ら、俺のだよ!』と多少むっとしながら待たされるっていう、あれですね。
 ま、もっとも、これは推測ですが、おまわりくんとしては、待たされている自転車操縦者とは違い、結果として乗っている人が登録内容と同一人物だったりしたら、なんだつまんない、さっさと帰れ、てなもんで、一方、もし盗難届けが出てようものなら、胸がとっくんとっくんと、ときめくんでしょうけど(推測です。)。
 ところで、話がちょっと脇にそれるけど、大立目近辺は、都会とは様相が異なり、あちこちにある農家の玄関先には野菜の無人販売なんかがある(今でもあります。)どっちかというと犯罪とは縁遠い土地柄です。ところがそれに比してどうも大立目警察は人数が多すぎて、無聊をかこっているらしく(もちろん僕の推定ですが、そうとしか思えません。選挙においての『一票の格差』が違憲だ、なんて問題になってますけど、血税対効果という面では『危険度に応じた住民一人当たりのおまわりくん配置の格差』も検討してくんないかな、って思うくらい、大立目警察は盗難自転車探しにいささか熱心すぎるように思います。それだけマンパワーが余っているんならもっと犯罪が多いところに人数を回してくれたほうが日本のためになると思うんだけどな。)、まことに頻繁にこの『夜道での自転車チェック』をやっています。

 『お、今日もやっておるな公僕諸君、まあ、貴君らが盗難自転車探しごときで忙しい、というのは逆にいえば平和な証拠だから、もし止められても登録番号確認くらいの時間はつきあってやるか。』心中斯様なことをつぶやきつつ、僕はどんどんと、その角に立つ、おまわりくん二人組に近づいていきます。帰宅する方向にいるわけですから、それはそうなるわけです。すると、近くまで来てみると、僕の前にすでに先客がいて、公僕に足止めを食らってどうやら『ぷしっ。う~、』の真っ最中です。その真横を僕は通過し、その制服おまわりくん二人組を中心に大きく90度旋回をして予定通り左折しました。特にものすごいスピードで左折した、とかそういうことはありません。なにしろ、くどいようですが僕は『やましいところは別にない、いち市民』なので。
 幸か、不幸か(本当に、スケールは小さいけど『幸か不幸か』っていう言葉はこの時の僕にぴったりのレトリックだな、って後で思いました。)、僕は、おまわりくんに何も声をかけられずにそのまますんなり左折し、およそ、100メートルほど先の実家に向かいました。
 『なんだ、俺には声かけなかったな。まさか自転車が眼前を通過していることに気付かないわけはなし、それに、その気になれば先客と俺、の二台を同時に止めることなんかわけないのにな。そういえば、一応、おまわりくんは無灯火とか、二人乗り、とか理由がないと止めちゃいけない、って聞いたことがあるな、そうか、俺は電灯もつけてたし、止まりなさい、っていう理由がなかったわけだ・・。』と瞬間少しだけ疑問を感じ、しかし、そのことはすぐに僕の思考からは消え去り『ああ、腹減ったなあ。』と思いつつ、そのわずか100M程度の道の半ばまでさしかかったときです。
 僕は、ある光景を見て反射的に急ブレーキを握りました。
 『人が倒れている!』
 実家のお隣さんは、-『隣』というのにはあまりにも面積が違いすぎますが-、広大な土地をもっている植木屋さんで、その庭いっぱいに造園に使う、木だの植え込みだのが栽培されています。それはそれは広大な土地をお持ちで、実は、線路沿いの道をおまわり君に近づいている頃から、左折して僕の実家に至るまで、その植木屋さんの庭伝い
にある道を走っていることになるんです。いまでこそ、そのお庭は簡素な金網のフェンスで囲まれていますが、当時は何もなく、舗装された道とその広大なむき出しのお庭が地続きになっていました。僕は左折して尚、数十メートルをその植木屋さんのお庭沿いに実家の方向に向かっていったんですが、その途中、なんとその庭から舗装道路に投げ出されるように横たわっている人間を発見してしまったんです。酔っ払いかな、お、そうだ、ちょうど角におまわりくんがいるから、彼らにあとのことは頼もう、なにしろ公僕、英語でいうところのもシヴィル・サーヴァント、だから、こういうときこそ役に立ってもらわねば・・などと考えながら、しかし僕はややおそるおそるそのちょうど外灯の光が届かずに薄暗くなっている地面に横たわった人影に、少し今来た道を戻りながら近づきました・・・。
 『戻りながら・・・』、そうです、僕は、視界に思いもしないものが飛び込んできたので、反射的にブレーキをかけたものの、自転車が最終的に止まったのは人影を数メートルやりすごした地点だったんです。だから、僕は確認のために、今来た道を小さくUターンし、自転車にのったまんまでゆっくりとその横たわる人影に近づきました。
 しかし、ああ、なんと人騒がせな、それは、近くで目を凝らしてみると『夜目には人間そっくりの形をした正体不明なもの、あえていうと粗大ゴミ』だったんです。植木屋さんが自分の庭に捨てたとは想像しにくいので、おそらくその植木屋さんの庭が塀も柵もなしにむき出しで公道に地続きになっているのをいいことに、どっかのけしからん輩が始末にこまった『たまたま人間のような形状になってしまった粗大ゴミ』を不法投棄でもしたんでしょう。
 なあんだ、迷惑な、ああ、驚いた、と、僕は再び自転車の方向を転換すると実家のほうへゆっくりと、-だってあと数十メートルですから急ぐ必要はないわけです-、自転車を漕ぎながら向かいました。・・・・ここまでで、僕になんか非があるでしょうか?ないと思うんです、僕は。
 
 ところが、です。うん?空耳かな・・・?なんか後ろから男性の怒鳴り声が聞こえてくるような・・・、僕はゆっくりと自転車を漕ぎながらうしろを振り返って、仰天しました。
 なんと、外灯に照らされた若い制服おまわりくんが、怒声を上げながら自転車にのって猛スピードでこちらにむかって来るじゃありませんか。
 今、僕は『猛スピード』ってさらりと書きましたけど、別の言い方をするなら、こう叙述すればわかっていただけるかと思います。即ち、その若いおまわりくんは自分の出した速さのあまり吹き飛びそうになった帽子を片手で抑えながら向かってきたんです。
 「待ちなさい!」
 え・・、僕は依然さっきまでと同じくゆっくりと自転車を漕ぎ、着実に実家に近づきながら、驚いて周囲を見渡しました。・・・だれもいないよ。
 「待ちなさい!待て!おいっ!」
 ・・・へ、俺???なんで?俺が止まらなければいけない謂われは無いよな、と思いつつ僕は惰性で自転車を漕ぎ続けます。

 程なく、追いついたおまわりくんの言うことは(それはたった数十メートルを、『逃げる気なんか全然ない』僕を『帽子が吹き飛ぶほどのスピード』で追いかけてきたわけですから、すぐに追いちゃうわけなんです。)僕に言わせると完全に常軌を逸していました。曰く、
 「なぜ今、我々を見て逃げた?」
 ・・・は?
 「身分証っ!?」
 ・・・いや、あのね。
 「いえ、逃げてませんけど。」
 「何を言う、さっきこちから来たのに、いきなりUターンしたじゃないかっ!なぜだっ!」
 と、その若いおまわりくんは、息を切らしながら、しかし、大層興奮して、-それこそ、偶然泥棒にでもあったかのように-、厳しい口調で、期せずして(僕に言わせれば、ですが。)、つい先程までの僕とそのおまわりくんに共通していた進行方向、-すなわち、おまわりくんたちがいた角とは逆の方向ですね-、を大きく指差しながら詰問します。
 「・・こっちからきて、いきなりUターン??・・・してませんけど。僕駅から帰ってきたんですけど。」
 「何?駅からだと?」
 「・・はあ。だから、さっきおまわりさん達の横を通ったでしょ?」
 「・・・だいたい、あなた、住所は?」
 「・・は?」
 「どこに住んでいるか、と聞いてるんだ!」
 え・・いや、どこって・・・。
 「・・は?・・いやここですけど・・」
 若いおまわりくんが必死で僕に追いついたはちょうど、僕の実家の目の前だったんです。僕は、僕たちふたりの目の前の家を、われながら阿呆のようにゆっくりと指差しました。
 「なにい!ここだあ?」
 その口調にはあきらかに『貴様、うろんなことをいうと為にならんぞ!いい加減なことをいうな、追いつかれたところの目の前の家を指差して自分の家だ、などと・・・、ますます怪しい!』という『濃くなる一方の疑念』に溢れていました。
 どうもおかしいなあ、と僕はそれから何度か会話を試み、ようやく、事態が飲み込めました。
 まず、なんとしたことか、おまわりくん二人は先客への対応で忙しく、僕が彼らの前を堂々と(それはやましいことなんかないから、ゆうゆうとしちゃうわけです。)通過したことを認識していなかったんです。それで、先客を放免して、いや、公的サービスを終えて、ふと、振り返ったそのときが、ちょうど僕が、人影らしきものに急ブレーキをかけてUターンした直後、だったようなんです。つまり、このおまわりくん二人には、僕が、僕の実家の方向から出し抜けにやってきた新たな自転車一台、と見えたんです。お、きたな、ここまできたら止めてやろう、くらいに思って構えていたら、僕が、なにやら急にとまって、突如踵を返し、元来た方に『逃げた』ように見えたらしいんです。 それで、警察官を見て引き返すとは明らに挙動不審千万、それ、追え!逃がすな!ということになって、帽子を抑えながらの、
 「待ちなさい!待て!おいっ!」
 となって、そのうえ、住所を聞いたら『ちょうど捕まえた場所にある家』(僕に言わせると『家に到着したから自転車を降りただけ。』という、日常以上でも、以下でもない、んですけど。)を指さした、うむむむ、ますます怪しい・・・・・。あほらしい。

 僕はなんだかなあ、と思いながらも全部説明してあげました。身分証を見せて、ね、ここ本当に僕のおうちでしょ?それに僕は駅から来て、さっき貴殿たちが公務を遂行しておる横を通りましたよ、ひとり止めてたでしょ?え?そっちが僕を見てないなんて俺のせいじゃないでしょ?それで、人が倒れてる、ちょうどおまわりさんがいるし、と思って引き返して近づいてよくみたらゴミだったから、ほらあそこに大きい物体がここからも見えるでしょ?それで、なあんだってことで『帰宅しただけ』ですけど、って身振り手振りも交えて説明すると、僕の言い分の寸分の隙もない堅牢性(あたり前ですよね、これ、おまわりくん側が、僕が彼らの目の前を通過したことを認知していなかったことから始まって、捕まえた場所が不審者の家の目の前なんてことがあるわけがない、という嫌疑に至るまで、ひとり相撲をとっているだけ、なんですから。)にだんだん事態を正しく認識しだして、最後には言葉使いまで丁寧になって(つまりは自分の誤解に気付いて、待て!だの、おい!だのと言ったことを少しは反省してくれたわけです。)全部納得してくれました。

 ふん、なんだ、ばかばかしい、どっちかつうとこっちは善意で行動したのになんでこんなことになっちまうんだよ、まあ、いいや、と気持ちを入れ替えて、家に入ろうとしたそのとき、です。
 あとからこれまた自転車で、のっそりと、僕らにおいついた中年のおまわりくんが、完璧に不審者に対する視線と、立場が上だという意思表示にあふれた皮肉な笑みを浮かべて、いきなり、僕にこう言いました。
 「なあんだあ、ああん?おまえ、あそこにゴミ捨てたのか?ええ?」
 ・・・・・彼は彼で、僕が若いおまわりくんに説明しているのを遠くから見て、彼なりの推測を、-しかし、僕に言わせるとこれを邪推と言わずしてなんというってなもんですけど-、していて、すでに僕と若いおまわりくんの立場が逆転して言葉使いまで善良な市民と公僕、に戻っているのも知らずに、てめえ、この野郎、ゴミ捨てて怒られるのが嫌で逃げやがったな、というテンションで『振り出しに戻る』って感じで、しかし、ひとり場違いな理解で登場したわけです・・・。

 うそみたいな話ですけど、本当です。
 そのニタニタ中年おまわりくんには、さすがに若いおまわりくんがすぐに説明してくれましたけど。
 相性悪いですよね。

===終わり===

僕とサービス業。対公僕バージョン。

 今回も『飲食業などのサービス業の人からいわれもなく邪険に扱われる男』の続編です。
 しかも今回の相手は、捕らまえようによっては『究極のサービス業』といってもよい、公僕、英語でいえばその名もシヴィル・サーヴァント、ときの体制側に属し、特にその体制からのお墨付をもらって、市民にサービスをすることを義務付けられている人たち、すなわち公務員です。

 その中でも、きょうは『治安維持方面担当公僕』、つまりは『警察』、とのことです。
 おいおい、ポリース(『ぽりーす』、と伸ばしてお読みください。・・特に意味はありませんけど。)と相性がよろしい人となんて、そもそもそうはいないんじゃないか、何しろ公僕とはいえ、市民を『取り締まる人たち』だからさ、と思われる方もおられるでしょう。そういうご感想には、僕も無条件に与してしまうものです。
 だいたい『私って、警察とすっごく相性がいいの。駐車禁止で指摘されても、結局、切符をきられなかったことが20回くらいあるのよ!』なんて人がいたら、それは『その人と警察官との相性』云々以前に、この国の治安維持自体はいったい大丈夫なのか、だの現行憲法が謳う法の下での平等はきちんと担保されているのか、だの、という壮大な論争をしなければならならくなっちゃいます。もちろん、そんな高邁な話をするつもりは全然ないです。
 或いは、そうかと言って、『へへ、間抜けな野郎だ。一回でお縄かよ。俺なんか今まで百回以上ヤマを踏んだけど、一度も捕まってないぜ。』という、非合法的生業を職業的になされている方面の方、『どろぼう』ですね、と同じ土俵にのって、彼らと比べて、僕の警察との相性がどうの、などという論争をするつもりもございません。
 
 そんな難しいことでも、うしろめたいことでもなくて、僕は『一市民としてなんとなくいわれもなく警察と相性が悪い』んです。
 断っておきますが、僕は、ポリースという、体制側の恣意的な治安を維持せんがため、ある種の暴力的な権力を天賦されることになった公僕、-ええ、しつこいですが、英語でいうところのシヴィル・サーヴァント、ですね。-に特に恨みがあるとかいうことではありません。特別に応援もしてませんけど。それが証拠にここでは以後、警察官、と書かずに、おまわりさん、といや、もっと親しみをこめて、そうですね、『コウボク』だけに『おまわりくん』と呼ぶことにしましょう。
 もうそういうことに決めちゃいました。

 先日、なんでだかは覚えていないんですけど(だいたい僕は結構な頻度で、自分の行動の原因を覚えてません。特に結婚してからは激しいです。)、僕はさい君と二人で、東京駅の地下コンコースを歩いていました。休日の昼間だったと思います。どうしてだかは覚えていませんけど、息子は一緒じゃなかったです。僕の家から東京駅は、決して近くないし、そもそも人混みが嫌いな僕が、さい君とわざわざ東京駅のコンコースなんぞにいたんだから何か理由があってのことだったはずです。その理由はちょっと思い出せないんですけど、とにかく、広くて人が大勢行き交うコンコースを何かの目的をもって僕らは歩いていました。
 と、目の前の人混みの中から、雲の端がちぎれ落ちるように、なんだか、冴えないサラリーマン風で、太い眉と妙にくっきりした二重瞼、という濃厚な顔つきの、地味なブルゾンを着た小柄な年配男性がふわりと現れて、僕らの前に立ちはだかりました。
 なんだろう、電車の乗り継ぎでも聞こうってのかな、そんならわかる範囲で教えちゃうけど東京駅の番線を全部知ってるわけじゃないぞ、それとも何かの勧誘かな、だとしたら無視に限るな・・、と一瞬のうちに僕なりに対応策を検討していたら、その男性が、いきなり、小声で、
 「ちょっとすみません。」
 と言いながら警察手帳を僕らに示しました。どうやらその年配の小男は、話に聞く、私服警察官、ええと私服おまわりくん、ですね、だったわけです。

 -ええ、余談ですけど、最近おまわりくんと接触したご経験のある方ならご存じかと思いますけど、現在の日本の警察手帳って、アメリカ映画のそれと同じく縦に開閉できる型の手帳になっているんですね。以前は日本の刑事物のテレビドラマでは聞き込みに回る強面の刑事が眉間に皺なんか寄せて『こういう者ですが。』なんて言いながら左右見開きの手帳を見せていたように記憶していましたが、最近日本のテレビでもアメリカ映画みたいに縦にぱらり、と開閉する警察手帳を使っていて、僕はてっきり『ははん、格好いいからってアメリカの映画を真似してるな。全く日本人はなんでもこれだから。』と決め付けていましたが、そうではないんですね。日本の警察手帳もいつのまにか左右見開きじゃなくて上下に、ぱらり、と開閉するようになっていてその事実をドラマ制作者側がちゃんとアップデートして模倣していたわけです。-

 その小柄な年配おまわりくんは、しかし眉間に皺を寄せて『こういう者ですが。』なんて重厚な態度ではなく『ちょっとすみません。』とだけ手短に言うと、ごく自然な澱みない動作で、すーっと警察手帳を出すと、ぱらり、と、縦に開いて僕たちに見せ、さらに、まるで見せ惜しみでもするかのように、これまた、あっという間に、さっと手帳をしまいこんでしまいました。
 なんだなんだ、私服おまわりくんに追われるようなことをした覚えなんかないぞ、と、しかし、それでも警察手帳の力に、僕は心ならずも歩を止めました。そして、私服おまわりくんが何かを言い出そうとするのと同時に、僕としたことが、事情が全然飲み込めないさい君に『私服おまわりくんだってさ、なんだか知らないけど。』と、さい君の母国語で説明してしまいました。
 すると、さすが世界に冠たる日本のおまわりくん、この短い会話を聞き漏らすはずもなく、目をぎらりと光らせ、
 「こちらは・・・外国の方?」
 とあたかも攻めどころを得た、といわんばかりの勢いで、僕の横に立っている女が外国人であるらしい、という情報にするどく突貫してきます。(さい君は、そのDNA方面においては100%モンゴロイド、なので黙っていたら日本人に見えないこともないんです。)うわ、しまった、面倒くせえなあ、と思っていたら、案の定、
 「外国人の方なら、アレ持ってますよね。」
 と言われ、さい君の外国人登録証明書の提示を求められてしまいました。さい君はさい君で、
 「黙っていればいいものをケイタが余計な説明をするからこんなことに・・・。」
 と半分むくれてぶつぶつ言いながら億劫そうに鞄の中から外国人登録証明書、-以前説明したその英文名も『certificate of alien registration』と書いてある自動車免許証大のカードですね。-、を出して私服おまわりくんに渡しました。おまわりくんは、
 「ええと、おふたりは・・・?」
 と僕らの関係を詮索してきます。
 「夫婦ですけど。」
 兄妹のわきゃねえだろ、愚問だ、と思いつつ、しかし、やましいことは何もないし早くこの事態から抜け出そう、と、できるだけ簡単に返答します。ところが、その私服おまわりくんはおまわりくんのくせに外国人登録証明書にあまり詳しくないのか、あるいは、よほど外国人登録証明書好きなのか、手渡されたそれを、老眼のためかすこし自分の顔から遠めに持ちながらも、ためつすがめつ、或いは何度も裏返したりして、いやに熱心に熟読しています。

 と、ふと気づくといったいどこにいたのか、コンコースの人の雲のなかから、別の若い短髪の、今風の垢抜けた服に身を包んだ若者が僕らに近づいてきた、と思ったら、無言で、例の如くすーっと警察手帳を出すと、ぱらり、と見せ、あっというまにさっと懐にしまいこんでしまいました。ほう・・・これまた私服おまわりくんか。でも別に俺んちには法律的な何も問題はないと思うんですけど。
 「ほう、ご夫婦・・、えっとそのことはここには書かれていないようですね・・・。」
 おいおい、あんた、おまわりくんという身分にあって、しかもあんだけ熟読しておきながら、それはないだろう。僕は、何か言いがかりをうけたような気になって、予想外に長い時間足止めを食らっていることも手伝い、気分を害しました、少しですが。
 「え、いや、書いてあるはずですけど。ええと・・・」
 言われて見ると、灯台下暗し、ではないですが、僕もさい君の外国人登録証明書なんか熟読したことなんぞないので、即答できずに、多少目が泳ぎました。が程なく表に印字されている僕の名前をみつけ指差しました。
 「・・・ええと、あ、ここにほら配偶者、って書いてあるのが僕です。」
 「ほ、ほう、なああるほどお!ここに書いてあるわけですか?ここにねえ?普通こういうのっていうのは裏に配偶者の名前とかビザの種類とかが書かれているもんじゃないんですかね?ねえ?」
 私服おまわりくんは妙に大仰に関心してみせたかと思ったら、なんと僕に対しての質問でひと台詞を終えました。そんなこと、俺が詳しく知るわきゃねえだろ。むしろ公僕たるあんたたちのほうが詳しいべきじゃないんですか?それに『普通こういうのってのは裏に・・・』の『普通』ってなんだ?
 「ほ、ほう、ここにねえ・・・、でお二人はご夫婦と・・・。」
 だから!さっきからそう言ってるでしょ、となかなか外国人登録証明書を返してくれない私服おまわりくんに多少苛々しながら、ふと周りをみて驚きました。
 なんとなれば、いつのまにか僕らを囲む私服おまわりくんは、4~5人もいたんです。その人たちがどこからともなく現れて、いちいち、僕らにむかって、無言で例の『すーっ、ぱらり、さっ』を繰り返すわけです。さすがにこれだけの人数の私服おまわりくんたちに囲まれて、しかも一様に『すーっ、ぱらり、さっ』をやられると威圧感があります。その様相はたまたま僕の手元にある夏目漱石の『吾輩は猫である』新潮文庫の230ページ風、に言うと、『・・そうすると、烏賊の墨を吐き、べランメーのほりものを見せ、主人が羅甸語を弄する類と同じ綱目に入るべき事項となる。』ていう感じにぴったりです(注:まがうことなき『引用』ですので『引用部分の言葉使い』に納得がいかない方は、僕に、ではなくて、新潮社さんか『吾輩は猫である』の現在の版権所持者の方、にお問い合わせください。)。
 いや、驚きましたねえ、侮ることなかれ私服おまわりくん、一体全体どこにいたのか、と僕が思うのも道理、改めてよく見てみると、女性こそいないものの、その見た目は実にバリエーションに富んでいて、ひとりめの『冴えないサラリーマン風』、ふたりめの『今どきのあんちゃん風』以外にも、『30代半ばのスーツを着た、痩せて背の高いちょっと神経質な技術職風』『休日に都心をぶらついている中肉中背の可もなく不可もない独身サラリーマン風』・・・、と見事におまわりくん臭を消して、いろいろ取り揃えて大衆に溶け込んでございます、といわんばかりの陣容でした。
 その私服おまわりくんたちが、冴えないサラリーマン風おまわりくんが僕らを足止めしたのを見て、餌にたかる生簀の魚のようにコンコース全体から集まってきてしまったわけです。
 「はい、夫婦です。」
 けれども驚いてばかりいてもしょうがないので、早く解放してくれないかな、と僕はじりじりしながら先ほどと同じ返答をしました。いくらたくさん集まってもなあんにも収穫なんかないよ。しかし、濃い顔の私服おまわりくんは、まださい君の外国人登録証明者を片手に粘った挙句、ようやく、彼らの目的を吐露したんです。
 「いやね、今、私たちね、家出人を探してましてね。」
 ・・・???!! 
 こらー!おまわりくん諸君!それは、二人とも垢抜けないものを着てるかもしれないし、さい君は年齢のわりには童顔かもしれないけれど、なんで小学校に通う子供のいるいい年をした夫婦に『地方から家出してきて東京駅を徘徊するカップル』という疑義を抱くのかね!そういう先入観で見ていたもんだから片方が外国人と知って二人の『身元不詳度』がとりあえず深まったので、しつこく食い下がったんですね。しかもその様子を遠巻きに見ていた私服おまわりくん仲間が、これは脈あり、通常の男女ではないようだ、それっ、てなもんで、勘違いして集結してきて『警察手帳ぱらり連発』になったようなんです。
 なんで私服おまわりくんに突然囲まれたのか、という理由を『釈放寸前』に知った僕は、『獲物ではなさそうだ』と判断したあと打って変わってさっさと群集に消えていった私服おまわりくんが僕のことを家出人、どころか、あやうく女衒扱いをしていた可能性も高い、ということにようやく気づき、それでもあんたらプロか、どんだけ無駄な時間や血税を俺らふたりに使ってるんだ、と憤慨しましたが、そこはプロ、ついさっきまで僕らを囲んでいたはずなのにもうどこにいるのかもわからず、それこそあとの祭りでした。

 『なんとなく相性悪い』でしょ?
 しかもなんかこれも極めて理不尽じゃないですか?

===終わり===

僕とサービス業。③

 ええと、前回、僭越ながら『飲食業などのサービス業の人からいわれもなく邪険に扱われる男』として僕自身を紹介させてもらいましたが、今回はその続編です。

 僕の住んでいる駅は何度もいうように、な~んにもない駅で、よく言えば閑静な、悪く言うと、場末の、と言った形容詞が似合う駅です。駅の近くもあんまり栄えてなくて普段は静かなもんです。
 もっとも最近は、どっかの違う都道府県から立候補して小選挙区で落選したのに、比例で当選したちょっと有名な若い現役の衆議院議員が、何を思ったか、所属政党を飛び出して僕の住む選挙区から立候補することを表明して(僕んところの選挙区は某大物、それも『超』がつく、といってもいい人が君臨しているので、なんでわざわざこんなところに飛びこんできたのか、全然解せませんけど。)盛んに、朝、演説をしてるので、
 -『朝立ち』ってやつですね。ええと、説明の必要はないかとは思いますが、彼がJR東大立目駅で盛んにやっている『朝立ち』は飽くまでも、そして、徹頭徹尾『政治家的方面の朝立ち』であって『生理的現象方面』のほうではありません。念の為。いかな若さを強調したい衆議院議員といえども毎朝、駅で『生理的現象方面』のそれを披露していては、彼が選良の心を捕まえる前に、大立目警察に彼自身が捕まってしまいますから。話がそれて、特に女性読者のみなさん、ごめんなさい。-、
 そういう朝は、多少普段と趣きを異にして賑やかではありますが。

 閑話休題、そんな寂しい駅ですが、それでも一応人の往来はあるので、それを頼んでか、ハンバーガーのチェーン店が2軒だけあります。今回は、そのうちの1軒での話しです。

 そもそも『ファストフードのチェーン店』といえば接客の仕方である意味他店と差別化を図ろうとするくらい、サービスには気を遣っている、というのが(多少、マニュアル化が過ぎるゆえの慇懃無礼さ、は払拭できませんけど。)僕の持っている印象です。そういう印象には賛同される方も多いと思います。ところが、そこが『サービス業の人からいわれもなく邪険に扱われる男』だけあって、そういうところでも『う~ん、なんだかなあ』っていう目にあっちゃうんです。今でもたまにその店は利用していますが、どうも、ちと相性が悪いんですよね。それも、店員とではなくて、本来なら接客を範として示すはずの、そこの店長、-いちいち注意してみているわけではないので、現在もその方が店長をやっているのかどうかは定かではないんですけど。見た目は『ドリカム』のベースギターを弾いてる人、に似てます。ということはダチョウ倶楽部の肥後さんにも似ている、わけです。-、に『やられちゃう』んです。
 ことの前後はうろ覚えなんですけど、ひとつ、ひどい扱いを受けたのは電話で、でした。
 この店はあらかじめ電話でオーダーをしておいて、後からそれをテイクアウトのために取りにいく、というサービスをされています。
 ある日、僕は初めてそのサービスを利用しました。僕が電話をした際には、アルバイトと思しき女性が電話口で丁寧に、澱み無く(無さ過ぎるくらいに)対応してくれました。
 「あの、後でとりに行くのでテイクアウト用に注文したいんですけど。」
 「ありがとうございます!ご注文をお願い致します!」
 「ええと、フィッシュバーガーを二つと、ポテトフライをひとつと、オニオンフライを二つと・・」
 と僕が言い終わると、女性はテキパキとその内容を復唱してくれました。その後、僕が、
 「いくらになりますか?」
 と尋ねたんです。
 この質問、おかしいですか?なぜって、僕はこの店への電話発注は初めてだったんですけど、だいたいピザだの寿司だのの宅配を頼むと、最後に、
 「いくらいくらになります。」
 って大抵言われます。あれは、客側に用意する代金をあらかじめ教えてあげます、っていう『サービス』と、『できれば、お釣りなしなんかで用意してくれたらありがたいんだけどなあ。』という宅配側のそれとない行間を読んでほしいな、という要望、の両方を同時に満たす行為なんだろうな、と僕はいつも思っていました。だから、そのときも何気なく『できればお釣りなし、で取りに行けちゃうかもよん』という好意半分で聞いたつもりなんです。
 ところが、この単純で常識的な質問(と僕は今でも思っています。)がどうもその店の接客マニュアルにはなかったらしく、それまで立て板に水の如く澱みなく対応してくれていた女性が、
 「え?・・あ・・、少々お待ちください。」
 と言うと、なんと受話器をおいて、保留にもせずに電話口からどっかへ行ってしまいました。あれ、俺なんか難しいこと聞いたかなあ、と思っていたら、
 「あの店長、電話発注のお客様が・・・」
 と微かに聞こえる女性の声に対して、突然ものすごく大きなはっきりとした声で彼女に返答をする肥後店長の声が受話器越しに聞こえてきました。すなわち肥後店長はこう言ったのです。

 「はあん?いくらだあ?なんだよ、そらっ!まったく、この糞忙しいのによお!」

 え、何それ?・・・。すでに受話器を片手に、図らずも店側の趣旨を理解してしまったものの、その乱暴な言葉遣いに呆然としている僕に、ばたばたと電話口に誰かが近づいてくる音のあと、肥後店長自身が、受話器を取り、先ほどの自分の発言が聞かれているとも知らずに、同じ内容のことを、しかし言葉を変えて慇懃無礼に答えてくれました。
 「お電話変わりました!お客様、たいへん、申し訳ありませんが、ただいまレジを開けられない状態ですので、ご来店の際でのお会計でお願いしたいんですどね。」
 ・・・・そんなことは、さっきのあんたの発言でわかってますけど。
 要は、その店は電話で先に発注するシステムはあるけど、その際、いちいち値段を教えるというマニュアルはない、ということだったんですね。
 ほう、左様か。でも邪魔者扱いすることはなかろう・・・。僕は、なんだか自分が悪いことをしてしまったような気分に、少しだけなり、しかし一方、大いに釈然としないままながらも、結局はおとなしく、電話を切って、あとで商品をとりに行きました。

 もうひとつは、-『サービス業の人からいわれもなく邪険に扱われる男』と自称するからには一回では済まないんであります。-、この同じ店にさい君とふたりで行ったときのことです。
 そのときは、僕らは、普通に注文をして、それで女性の店員が接客してくれて、特につつがなく『店内でお召し上がり』をしておりました。
 途中、日本人としては辛いものが決して苦手なほうではない僕をして、一口で汗が吹き出るくらいに、なんでもかんでも、辛い辛い香辛料をかけて食べる南半球からやってきたモンゴロイド、のさい君が、
 「ちょっと、辛さがたりない。この店、私の国のアレみたいな香辛料ないのかな?」
 とぶつぶつ言い始めました。
 「いや、こういうチェーン店にはそういうオプショナルなものは置いてないでありましょう。」
 と僕は言ったんですけど、さい君曰く、
 「いや、私の国では、マクドナルドにもケンタッキーにもウェンディーズにもあの香辛料がある。」
 「いや、だからそれはそうしないと客が来ないから、各社があんたの国の人たちの嗜好に特に対応している、というレアケースであると思いますぞ。」
 「でも、聞いてみようよ。私の国のアレとおんなじものはないだろうけど、チリソースくらいあるかもよ。」
 しょうがないなあ、と、これは要は日本語ができないさい君に変わってケイタあなた聞いてきなさいってことだな、と僕がどうせあるわけないけど、と重い腰をあげようとしたら、珍しくさい君が、
 「私が聞く。いつもケイタに頼ってたらこの国で生活できないから。たまには私が自分で聞く。」
 と言い出しました。
 「へ・・・、そらいいけど、あんた何語で聞くのであろう、ですか?」
 「英語!このくらいの英語なら相手もわかってくれるはず!」
 と、さい君いやに意気込んでカウンターの女性のところへ向かいました。
 僕は、さい君のその敢闘精神を尊重しつつも、会話が成り立たなくなるかも、と思い、一緒にカウンタ-に行き、さい君の隣に、しかし、木偶の坊かの如くぼーっと黙って突っ立っていました。
 「Excuse me,aah,do you have chili sauce?」
 と『自分の旦那を含めて日本人おおよその英会話力』をすでに把握しているさい君はゆっくり聞きました(ええと、『おい、その場合はむしろCan I have chili sauce?というべきじゃないのか』とかいう細かいご指摘はご勘弁ください。さい君なりの腐心の結果ですので。)。僕は先ほども言ったように、どうせ無いのになあ、と思いながらも、さい君のすぐ横で、事態を静観しています。
 果たして、カウンターにいた女性は、さい君の言わんとしていることは理解できたようですが、その趣旨がマニュアル外のことだったようで、そして、そのことに動揺を隠し切れず、
 「え?あ、少々お待ちください。」
 と言うと、ちょうどたまたま彼女の左斜め背後、僕らからみたらカウンターを挟んで右斜め前1メートルほどの位置ですね、で僕らに背中を向けて何やら作業をしていた、肥後店長に、
 「あの、てんちょう、チリ・・・」
 と伺いをたてました。
 すると、肥後店長は、さすが店長、作業をしながらも会話は耳に入っていたらしく、しかし、僕らにはもちろん、カウンターの女性にすら殆ど顔を向けずに、かつ、作業の手を休めずに、女性がまだ質問を言い終わらないのに、そうですね、『あの、てんちょう、チリ・・・』の『てん』と『ちょう』の間くらいですばやく反応し、たいへん大きな声でこう言いました。

 「ねえよっ!そんなもんっ!」

 ・・・ほう、左様か、『そんなもん、ねえ』のか・・・。
 ほんの1メートルという至近距離で斯様な大声でご挨拶な返答を喰らった僕は、あ、これは、僕らが結婚してからよく遭遇する(非常にしばしば)日本人特有の『外人だけどモンゴロイドだと蔑視する』という差別ってやつだな、と咄嗟に思いました。おそらく肥後店長はあんなに大きな声で言ったところをみると、さい君の真横で無言でぼーっと立っている僕のことも『日本語を解さないどこぞのモンゴロイド系外人』と錯誤したんでしょう。これが英語で尋ねた人が、そうですね、ブリトニー・スピアーズみたいな金髪碧眼の大柄な白人だったら、たぶん違った対応になったと思うんです。もっとも、ブリトニー・スピアーズが僕の伴侶になってくれるわけはないです。まあ、是非はともかくとして(あんまり頻繁にこの手の差別に会うのでいちいち立腹したり、抗議したりしてらんないんです。)、いつもの日本人社会のあれだからしょうがねえか、とそのときの僕は思いました。

 でも、そういう『よく日本人がモンゴロイド系外国人にしがちな態度』を差し引いても、ドリカム・肥後店長と僕、はやっぱり相性悪いですよね?
 ま、『『飲食業などのサービス業の人からいわれもなく邪険に扱われる男』、面目躍如、といったところですな。

===終わり===
プロフィール

緑 慧太

Author:緑 慧太
好きな言葉:『終身雇用』
座右の銘 :『負けるが勝ち』

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